リテールやEC含むインテリア業界の店舗展開が活況だ。EC専業企業の店舗展開も加速し、商品体験を訴求する動きが目立つ。店舗展開に積極的なインテリアECのベガコーポレーションでは、出店エリアでのEC売り上げが増加する成果が表面化し、店舗展開をさらに加速させている。ベガコーポレーション以外にも、インテリアEC企業が相次ぎ出店を進めており、EC企業らしいデジタルを活用した内装の店舗も増えている。各社の出店計画や販売動向などをまとめた。
■店舗戦略さらに加速
インテリアEC業界では近年、店舗展開が注目されている。
ベガコーポレーションの店舗は7月5日時点で、今後の出店計画も合わせると計6店舗。23年4月以降、店舗展開を強化している。
インテリアECを展開するFlavor(フレーバー、本社京都府、山本哲也社長)は「今後の4年弱の間に、6店舗の出店計画がある」(山本哲也社長)と明らかにし、10店舗に拡大する計画だ。
衣料品の卸や店舗什器・備品などのEC事業の店研創意(本社大阪府)を傘下に持つ大西(本社大阪府)のインテリアECのグループ会社、ENEN(エネン、本社大阪府)も店舗展開を加速している。
エネンは、大西グループとして22年に創業した。今後10年間で売上高100億円を目指す計画だ。ECサイトを旗艦店としながら、実店舗で商品の体験を訴求していく。
初出店した東京・自由が丘店には、同社が販売する家具やインテリア用品のそれぞれが1枚のカードとなって壁面に収納されている「カードクリッピング」を施した。家具を選ぶ楽しさを訴求し、収納されているカードを持ち帰ることもできる。「今後もさまざまな仕掛けやサービスを展開していく予定」(大西・経営企画部広報チーム・高橋知里氏)と話す。
7月12日にはENENの2店舗目となるENEN大阪店がオープンする。
エネンのように、店舗の内装を工夫する動きが広がっている。
背景には、商品体験だけでなく、店舗自体に体験価値を持たせたい狙いがある。大型スクリーンの設置や店舗独自デジタルサイネージの活用のほか、店舗設計や「デジタルに触れる体験」など、体験を広く捉える店舗が増えている。
■ベガは大きな手応え
EC専業企業として培ったデータベースをもとに店舗展開を進めるベガコーポレーションは、インテリアに限らずEC業界の参考事例になりそうだ。
23年4月に同社初となる直営店舗「LOWYA九大伊都店」を開店して以降、積極的に店舗展開を進める。
ベガコーポレーションの取締役でありLOWYA事業本部長の吉田裕紀氏は
(続きは、「日本ネット経済新聞」7月11日号で)
【インテリアECの最新動向】 店舗展開がさらに加速/ベガは売上増加の成果(2024年7月11日号)
記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。