【千原弁護士の法律Q&A】▼381▲ ステマ広告の規制のNBへの影響は?(2023年5月11日号)

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〈質問〉

 ネットワークビジネス(NB)の会社を経営しています。ステマ広告の規制が始まるという記事を読みました。これは会員がSNS等の投稿で当社商品やサービスを紹介するような場合にも適用されるのでしょうか。会社が会員に個別に依頼したわけではなく、会員が独自に商品についての投稿を行った場合はどうなりますか。さらに、この規制に合わせて、概要書面などを変更する必要がありますか。(NB会社社長)

〈回答〉 規制前の現段階から対策を

 ステルスマーケティング広告(ステマ広告)というのは、インターネットなどで、広告であることを隠して、あたかも会社とは無関係の第三者のような形で、商品やサービスの宣伝を行うことです。

 現在、景品表示法の告示と運用基準が公表されています。この、ステマ広告を全面的に禁止する改正は、2023年10月1日から施行される予定です。

 ご質問に回答しますと、そもそもNB会社では、会社でも個人でも「リクルート目的の広告」を行う場合は、必ず「特定商取引法に基づく法定事項」の記載が必要であり、ステマ広告はあり得ません(特商法で厳しく禁止されています)。
 ただ、会員がリクルート目的ではなく、「商品やサービスの紹介」を行う場合は、特商法の広告規制はかかりません。この場合、景表法に新たに盛り込まれるステマ規制が適用される可能性が高いと思います。



〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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