【インフォマーシャル〈出稿量データから見る商品戦略〉】第３１回　出稿を継続する「スーパーミリオンヘアー」（2023年5月11日号）

　１日に何千分、何万分と流されるインフォマーシャル。よく見る商品もあれば、たまに目新しい商品も登場する。しかし、どんな商品も放送回数や放送分数、放送時期などをじっくり調べてみると、売れる理由や各社の戦略・努力が見えてくる。今回は、ヘアケアのカテゴリーで唯一といっていいほど長く放送を続ける「スーパーミリオンヘアー」に着目した。

■必要だから出稿する

　ヘアケアのカテゴリーは、健康食品やコスメなどと比較すると、放送分数がそれほど多いわけではない。しかし、ヘアケア商品には、個性的で印象に残るものも多い。頭皮や髪の毛を健やかにしたり白髪が徐々に染まったりといったシャンプー・トリートメントもあるし、育毛剤もある。
　そんななか、今回注目したのがルアンの「スーパーミリオンヘアー」だ。髪の毛が薄くなった部分に同商品を振りかけることで、まるで髪の毛が増えたように見せてくれる繊維状のアイテムだ。
　代表取締役社長の阿部稔氏自らがモデルとなって実演する姿をイメージする人も少なくないだろう。
　実は、ヘアケアのカテゴリーを調べてみたところ、２０１３年（インフォマーシャル調査会社のハニーマスタードがデータ収集を開始した頃）から２２年までインフォマーシャルの出稿を続けている商品は、放送分数の上位数十社のうち「スーパーミリオンヘアー」「スーパーミリオンヘアーＥＸ」のみであることが分かった。
　阿部社長は、「営業は、われわれがやらなくてはならない一番大きい仕事。続けなければならないから続けている」と話す。
　とはいえ、放送分数自体は減少傾向にある。「スーパーミリオンヘアー」は、１３年の合計分数が６８６３分（ルアン以外の出稿販社の放送分数も含む、以下同）だった。１４～１７年はそれぞれ５０００分台、１８年は４４６１分だった。１９～２０年は２０００分台、２１年は１５３４分と減少した。２２年は３０４５分と少し盛り返している。

（続きは、「日本流通産業新聞」５月１１日号で）

データ提供：（株）ハニーマスタード
　全国で放送されているインフォマーシャルについて、商品カテゴリー別、商品別、局別などに、放送回数、放送時間、価格などすべてをデータベース化し、プロモーションやマーケティングコンサルティングなどの事業を行う。