【千原弁護士の法律Q&A】▼301▲ 悪質会員に退会勧告したが…。

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〈質問〉

 当社はネットワークビジネス(NB)の主宰会社ですが、PIO―NETのクレーム件数を調べると、件数が多い状況が続いています。原因はよく分かっていて、某県のグループが悪質・違法な勧誘を継続しているのです。何度となく指導してきましたが、改善されません。やむなく当該グループを処分することとして、リーダー会員のA氏に対して、コンプライアンス違反を理由とする退会勧告を行いました。そうしたところ、A氏は本性を現した様子で「そんなことをすれば、タダでは済まないぞ。傘下の会員みんなを消費生活センターに行かせて、会社を潰してやるから」とすごんで来ました。実際にそのようなことをされれば、業務停止命令を受けてしまうので、どうしたものかと社内で頭を抱えています。どう対処すればよいか、アドバイスをいただけますか。(NB会社社長)

〈回答〉 方針を変えず、除名処分も視野に進めるべき

 結論としては、貴社のこれまでの方針を変えず、退会勧告を行い、従わない場合は除名処分という形で、進めていかれるべきだと思います。以下にポイントを説明します。

〇消費生活センターは問題視するか?

 考えていただきたいのは、特定商取引法のコンプライアンスは、基本的に、リクルート時に関するもので、また、センターが問題にするのは「不当に入会させられた、買わされた」というクレームです。

(続きは、「日本流通産業新聞」1月23日号で)

〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、130を超える企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、また、数多くの大規模企業再生・倒産事件を手掛けてきた。業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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