【千原弁護士の法律Q&A】233 試用期間後の解雇での注意点は?

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”「客観的に合理的な理由」の存在が必要”

(質問)
 試用期間中の営業社員についてご質問します。その社員は、勤務成績・能力がとても低く、また注意すると、ふて腐れるなど、改善も見込めないため、試用期間満了時点での解雇を考えています。また、可能であれば、すぐにでも解雇したいと思っています。注意点を教えていただければと思います。       (訪販会社社長)


(回答)
 貴社が検討されているのは、試用期間満了時の本採用拒否(解雇)というものです。
 ただ、こちらも無条件で有効になるわけではなく、本人が解雇の有効性を争ってきた場合には、解雇無効と判断されるリスクがあります(それなりに高いリスクだと思います)。この本採用拒否も、試用期間が過ぎた後の解雇と同じく、結局は「客観的に合理的な理由」の存在が必要となるのです。(とはいえ、試用期間が過ぎてしまった後よりは解雇が有効とされるにあたってのハードルが低いことは間違いありません。)
 勤務成績不良・労働能力不足については、平均より低いだけではなく、「著しく不良」であることを「客観的」に明らかにできる必要があります。そうでなければ、改善可能性があるとして、解雇無効と判断されるリスクがあります。
 このため、会社側の対策として、試用期間内において、(1)会社で求められている能力を客観的に数値化すること(営業社員であれば十分に可能だと思います)(2)本採用前に登用試験を実施するなどして、当該労働者の能力不足をあらかじめ客観的な形で残しておくーーーことが重要であるとされています。


(続きは、「日本流通産業新聞」3月16日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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