【通販会社による通販支援】 千趣会〈物流受託を強化へ〉/栃木・鹿沼センターで対応

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石田晃一取締役東京本社代表兼事業開発本部長(写真右)と事業開発本部法人事業部・山中潤部長

石田晃一取締役東京本社代表兼事業開発本部長(写真右)と事業開発本部法人事業部・山中潤部長

 千趣会は今期(20年12月)、物流業務の受託を強化する。栃木・鹿沼の物流センターに、受託業務を集約して対応する。鹿沼センターで手掛けていた頒布会事業の業務を岐阜のセンターに集約。余剰スペースができたことから、資産の有効活用を図る狙いもある。これまで内製化してきた独自の運営ノウハウを生かし、物流業務受託の強化で法人事業部の売り上げ拡大につなげたい考えだ。
 「鹿沼商品センター」は従来、頒布会事業「マンスリークラブ」の商品管理と、法人事業部の業務受託を行ってきた。通販事業の売上高が減少しているため2月、「マンスリークラブ」の業務は岐阜・可児の「可児ディストリビューションセンター」に移管。
 通販事業の効率化を図るとともに、「鹿沼商品センター」は物流業務受託の専用拠点として活用する。センターの運営はグループ会社の千趣ロジスコ(本社大阪府、岡田正幸代表)が手掛けている。
 法人事業部による19年12月期の売上高は、前期比7.8%減の47億5700万円。営業利益は同5.6%増の3億700万円だった。早期退職者募集などの影響で、同部の人員は一昨年の約半数となる20人強。「人員の問題でディフェンスにシフトしたため、新規クライアントが獲得できなかった」(事業開発本部法人事業部・山中潤部長)と説明する。
 前期売上高のうち、物流やコールセンターの業務受託が38億4100万円となっており、法人事業部売上高の80.7%を占めている。特に近年、業務受託のクライアントはEC事業者からの需要が増加している。
 「遊休資産の有効活用は固定費がかからないのが強み。それに今まで内製化してきた物流やコールセンターのノウハウを、どうエッセンスとして加えていくかだ。これを今の時代に合わせてECのお客さまに提案していきたい」(石田晃一取締役東京本社代表兼事業開発本部長)と抱負を語る。
 法人事業部の今期業績目標は、売上高が前期比9.3%増の52億円、営業利益は同36.5%増の4億9000万円を計画している。

法人事業部が受託した物流業務に対応する千趣会の「鹿沼商品センター」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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