〈住設訪販企業〉 6月から売上が回復傾向/コロナ対応で組織改編も

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 新型コロナウイルスの影響を受けた住設訪販企業が6月以降、売り上げが回復してきた。3月の緊急事態宣言の発令から、対面による営業や商談ができなくなり、各社とも厳しい経営環境が続いたが、逆風を乗り切ろうと経営者が素早い対応をとっている。太陽光発電などのT‐TOP(本社大阪府)では、社長自らが現場へ同行して社員の士気を高め、営業成果が上がっている。新日本エネックス(本社福岡県)はコロナ以降、社長が社員との面談機会を増やしたり、組織改編して組織力を高めた。リベラルソリューション(本社東京都)は4月に持ち株会社制に移行して、業務の効率化を図っている。こうしたトップの行動が売り上げ回復につながっている事例をまとめた。

■口出さずに社長が同行

 太陽光発電や蓄電池、リフォームを販売するT‐TOP(ティートップ、本社大阪府、村田達也社長)は、21年2月期の単体売上高が前期実績の5億円増となる20億円を見込んでいる。グループ全体では、25億円となりそうだ。
 同社ではコロナの影響が始まってから、村田社長が営業の現場へ同行した。「口だけで社員はついてこない。こういう時だからこそ社長が前に出るべき」(村田社長)と考えた。同行しても口は出さず、昼食時や普段の会話の際に様子を近くで見ながら社員をサポートすることに努めた。
 社員にストレスがたまらないように、2週間は黙って同行を続け、一定期間が過ぎた頃にタイミングを見極めて助言を行った。こうした同行に約3カ月を費やした結果、月3000万円だった売り上げを倍増させた社員もいたという。全体売り上げのアップにつながったようだ。
 営業や売り上げの成果だけでなく、社員同士の連携が十分にとれていなかったことにも気付くことができたという。「当たり前のことを当たり前にやっているだけでは全体の底上げにはならない。社員同士が連携することが何より重要で、相乗効果を発揮させることが役職者の役目」(村田社長)と話す。これを機に、4週間にわたる外部研修を取り入れ、社員それぞれが自分を見直す機会を設けている。


■成長を実感できる組織

 太陽光発電や蓄電池の新日本エネックス(本社福岡県、西口昌宏社長)は、21年1月期の売上高が前期実績の8億円増となり、20億円超える見込みだ。19年度の売上高である12億円を上半期ですでに達成する好調なペースで推移している。

(続きは、「日本流通産業新聞」11月5日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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