関東経済産業局/リゾネットを15カ月の業務停止に/「事実誤認」主張し今後行政訴訟へ

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 関東経済産業局は3月29日、リゾートクラブの会員権のネットワークビジネスを展開するリゾネット(本社東京都、山本夏社長)に対して、特定商取引法に基づく15カ月間の一部業務停止命令を行った。リゾネットは同日、関東経済産業局の認定した事実に誤りがあり、同局が誤りを認めたとして、業務停止処分の執行停止申し立てと、処分の取り消し訴訟の提起を行う予定があることを明らかにした。


■2回目の行政処分

 同社に対しては、東京都が17年1月に、勧誘目的等の明示義務違反などがあったとして、3カ月間の一部業務停止命令を行っていた。今回が2回目の処分となる。
 同社の会員になると、国内の同社施設を1泊1500円で利用できるほか、全国の提携ホテルに格安で宿泊できるとしていた。関東経済産業局の発表によると、同社の17年12月期の売上高は約20億円だったという。
 同局によると、リゾネットは、同社の会員が、全国の提携宿泊施設に一般の予約者に優先して宿泊予約ができる旨を伝えていたが、実際には、一般の人に優先して同社会員が宿泊できる施設ではなかったという。
 同社の会員は勧誘時に、「リゾネットの会員になれば、会員のみが予約・宿泊できる施設が豊富にある」旨も伝えていたが、実際には、宿泊できる施設の部屋数は会員の総数に対して著しく少なかったともしている。
 関東経済産業局は、権利の内容の不実告知と勧誘目的等の明示義務違反、特定利益に関する不実告知を認定。新規勧誘や契約締結に関する業務の停止を命令した。山本社長ら役員3人に対しては、同期間の業務禁止命令も行った。


■HPに反論を掲載

 リゾネットは業務停止命令発表があった3月29日に、同社ホームページ上で、処分に対する反論を掲載した。リゾネットは反論の中で、関東経済産業局が公表した(1)リゾネットの会員のみが予約・利用できる所有宿泊施設が著しく少なく、会員のみが予約・利用できる提携宿泊施設は存在しないにもかかわらず、豊富にあるように告げていた(2)特定利益を収受している会員はごくわずかしかいない─という二つの違反理由に誤りがあると主張。同局の職員が事実誤認を認めたと話している。事実誤認に基づく処分に対して、執行停止の申し立ての準備を進めていることや、行政手続法に基づく処分の取り消し訴訟の提起を予定していることも明らかにした。執行停止の申し立ては4月5日までに行うとしている。
 リゾネットは、「当社の国内の所有宿泊施設は年間3万5000室以上、提携宿泊施設は全国に数万カ所あり、会員から満足の声をもらっている。会員に対するボーナスも毎月きちんとお支払いしている」(お客さま相談室)と話している。同社では、6室以上を有する宿泊施設を全国に16カ所持っており、1年365日を掛け合わせると、3万5000室以上になると説明している。提携宿泊施設数については、同社が直接提携している施設と、大手旅行代理店に依頼して手配できる施設の総計であるとしている。
 関東経済産業局は、「処分の基となる事実の誤認を(関東経済産業局が)認めたという事実はない」(消費経済課小関啓一課長補佐)と反論している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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