【暗雲漂う太陽光市場】供給過剰で出力制限/4月以降は住宅用も対象

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 近年の訪販業界で最大のヒット商品となった「住宅用太陽光発電システム」の市場に暗雲が漂い始めた。太陽光発電の導入量が急激に増えすぎたため、これまで普及を推進してきた経済産業省は方針を転換。電力供給量が過剰になった時間帯に限り、電力会社が太陽光発電の出力制限を柔軟に行える新たな制度を1月22日に開始した。一部の電力会社は4月1日以降に新規契約した住宅用太陽光発電も出力制限の対象にする。投資利回りの低下を招きかねない新制度が消費マインドに悪影響を与える可能性がある。

東名阪は制限なし

 新制度下では電力が供給過剰になった際、電力会社は太陽光発電の出力制限を時間単位で行う。出力制限の対象はこれまで、発電能力500キロワット以上の大規模発電設備に限定されていた。しかし、太陽光発電の導入量が増え過ぎたため、住宅用を含む全ての太陽光発電が対象になった。
 4月1日以降、「北海道電力」「東北電力」「北陸電力」「中国電力」「四国電力」「九州電力」「沖縄電力」の管内で新規契約した住宅用太陽光発電は、出力制限を受ける可能性がある。
 電力需要が大きい「東京電力」「中部電力」「関西電力」は当面、住宅用の出力制御は行わない。
 出力制御の上限は年間360時間。電力会社は1時間単位で出力を制御し、需給バランスを調整する。
 時間単位での出力調整を実現するため、全ての発電設備に出力制御機器の設置が義務付けられた。ただし、住宅用には猶予措置が設けられており、設置者が将来、必要に応じて機器を設置することを約束すれば、太陽光発電と同時に出力制御機器を設置する必要はない。

(続きは本紙2月5日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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