首都圏を営業エリアとする中小23社の配送会社が4月10日、ラストワンマイル協同組合(所在地東京都、志村直純理事長)を設立し、18日に会見を行った。ネット通販の拡大を背景とした取扱個数の増加や、ドライバー不足を原因とした運賃の引き上げ、総量規制といった課題解決を目的に設立した。同組合は6月1日、首都圏1都3県で配送サービスを開始する。荷主による荷物の仕分けなど作業工程を分担することで、大手宅配便事業者の運賃よりも低価格な料金を設定する。1年後には年間1500万個の取扱個数を計画している。
同組合は、配送というサービスアンカーとしての役割に特化した組合という位置付けで、配送コストを安価に設定できるのが特徴としている。荷主にとっては配送委託窓口の一元化により、運送関連の業務が明確となる。運送会社も共同組合の一括受注によって、地域による運賃格差や安売りによる過当競争がなくなる利点がある。
運送会社は通常、荷主から配送業務を受託すると、業務の受け付けから集荷・一次仕分け・運搬・二次仕分け・配送という業務の流れになる。同協同組合はこのうち、集荷から二次仕分けまでの工程を荷主と分担することで、低価格な運賃設定を可能にした。
一次仕分けは3拠点のセンターで対応するが、荷主が一次仕分けセンターに都県別に仕分けして持ち込むと、1個当たりの運賃は割引Aプランの料金となる。荷主はさらに、一次仕分けセンターに配送会社別に仕分けて持ち込むと、割引Bプランを適用する。
二次仕分けセンターは7カ所のデポで対応するが、二次仕分けを行う7拠点に仕分けして持ち込むと割引Cプランの適用となる。最終の配送拠点は44拠点となっているが、荷主が最終の44拠点に仕分けて持ち込むと最大割引のDプランを適用する。各プラン別の料金体系は別表の通り。
(続きは、「日本流通産業新聞」4月19日号で)
〈ラストワンマイル協同組合〉配送会社23社が設立/6月、1都3県で宅配開始
記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。