【NEWSここが知りたい】 HACCP義務化着々と/全食品事業者対象に、20年施行へ

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 衛生管理基準「HACCP(ハサップ)」の義務化に向けた準備が着々と進んでいる。3月13日には、全食品事業者に対して、HACCPに準じた管理を義務づける食品衛生法改正案を政府が閣議決定、現在開会中の通常国会に法案を提出した。20年の施行を目指す考えだ。食品工場などでは、HACCPを導入する企業が増えてきているが、今回の制度改正は、小規模販売事業者なども含め、食品を取り扱う全事業者が原則として対象となる。販売事業者を含めた全食品事業者にHACCP義務化が十分に浸透しているとはいえない状況で、業界関係者からは、制度改正施行時の混乱を懸念する声も上がっている。

〈従業員一人の事業者も対象〉

 *そもそもHACCP(ハサップ)って何なの?

 HACCPというのは食品の衛生管理の国際基準の一つ。ハザード・アナリシス・アンド・クリティカル・コントロールの略で、日本語では「危害要因分析重要管理点」と訳されることもある。要は、取り扱う食品ごとの危害要因を洗い出し、それを取り除くための重要管理点(CCP)を設定、CCPの適切管理に向けて仕組みを作り、改善を進めていきましょうといった内容になっている。HACCP実施の記録を残すことも求めている。WHO(世界保健機関)のコーデックス委員会ではHACCPの12手順(7原則を含む)を公開しており、HACCPの導入は、日本を含めた各国の食品事業者で進んでいる。欧米など海外では、義務化も進んでいるんだ。

 *日本でも義務化されるって聞いたけど。

 その通り。厚生労働省の検討会が16年12月にまとめた報告書で、食品衛生法を改正して、HACCPに基づく管理を義務付けましょうという方針が示された。大規模な食品工場から、従業員一人でやっているような小規模飲食店まで、原則として食品を扱う全事業者を対象にするというのが、今回の制度改正の一つのポイントだね。

(続きは、「日本流通産業新聞」3月15日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ