【カタログ通販大手】 難局打開のヒット商品/自由な発想や悩み解決でファン獲得(2025年1月30日号)

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 EC台頭による顧客の減少や印刷費の高騰など、カタログ通販企業にとって厳しい局面が続いている。ただ、カタログ通販企業は長年積み上げた商品開発力やその魅力を伝える表現力という強みがある。ノウハウを生かし、ヒット商品を着実に生み出している。今回は千趣会、ニッセン、DINOS CORPORATION(ディノスコーポレーション、以下ディノス)、ハルメクのヒット商品とその開発の舞台裏に迫った。

 今回の取材で見えてきたヒット商品の主な傾向として、(1)ユニークかつ高品質(2)潜在的ニーズに応える(3)”バズり”をチャンスにした効果的な見せ方─があった。
 「ユニークかつ高品質」としては、ニッセンの寝具シリーズ「猫Feel(フィール)」やハルメクの女性向けインナー「綿100%の涼感ハイネックインナー」が印象的だった。ユニークなヒット商品は後発品が出やすいが、デザインだけでなく触り心地や機能性といった品質を高めることが、差別化のポイントとなっている。
 顧客の悩みを先回りして解決する「潜在的ニーズに応える」商品も人気だ。
 前出のハルメクの女性向けインナーや、ディノスの室内物干しが挙げられる。情報過多の現代、判断基準は他人との比較ではなく、”自分”を中心とする動きが加速している。「自分らしくこだわる」や「深い悩みを解決する」ための商品がヒットした。
 「効果的な見せ方」は、各社がカタログやSNSで長年の研究を重ねているが、キャッチーな言葉選びや”癒し”を表現する写真により、効果を最大化している。
 ユニークな商品はもちろん、実用的な商品も見せ方を工夫したり、”バズり”のチャンスを生かすことでさらなるヒットにつながった事例があった。千趣会のロングランのローソファーシリーズ「Guutarug(グータラグ)」や前出のニッセンの「猫Feel」はSNSの取り組みが販売促進に貢献した。

(続きは、「日本流通産業新聞 1月30日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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