丸八ホールディングス(本社神奈川県、瀧口陽夫社長)は4月8日、名証2部に新規上場した。初日の初値は757円、終値は907円のストップ高だった。
同社は、寝具の訪問販売を統括する丸八真綿販売(本社神奈川県、見目裕志社長)や寝具の製造を手掛ける丸八プロダクト(本社神奈川県、瀬古正和社長)などの持ち株会社。丸八ホールディングスの15年3月期の連結売上高は209億3500万円、単体売上高は13億1900万円。子会社31社を含む連結売上高のうち、訪問販売が約6割を占めるという。
ダイレクトセールスの信用向上が上場の主目的だという。顧客の信用だけでなく、販売員の採用にも好影響を期待している。上場の同日に発表した16年3月期の業績予想では、「昨今の雇用市場動向により採用が伸び悩み、売上高は横ばいの傾向」としている。
製販一体のビジネスモデルが上場承認につながったという。製造から販売、メンテナンス、リサイクルまでを同社は一貫して行っている。ダイレクトセールスだからこそ、自社製品の品質の良さを直接伝えられるという企業理念が認められたのだとしている。
昨年7月には、コンプライアンスの管理の一元化も行った。これまでは、購入者への「謝礼電話」を個別の営業拠点で行っていた。現在は、丸八真綿販売から一括して謝礼電話を行い、販売の現場でコンプライアンスやマナーが守られているかをチェックしている。昨年5月からは、前月のクレームを全営業マンで共有する取り組みも始めた。高齢者対応のガイドラインを10年以上継続して作成してきた効果もあって、同社へのクレームや消費生活センターへの相談件数は、減少傾向にあるという。
丸八HD/名証2部に新規上場/採用強化に期待
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