<消費者庁> 食品の機能性表示に規格基準型を導入へ/「事業者・行政の両方にメリット」の声多数(2023年11月02日号)

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 消費者庁はこのほど、現行の機能性表示食品制度を補完するものとして、規格基準型の新たな機能性表示制度の導入を検討していることを明らかにした。特定保健用食品(トクホ)、機能性表示食品、栄養機能食品のいずれかの制度に付随する制度とすることを想定しているが、詳細な制度設計は未定だという。消費者庁の食品表示企画課では、「食品の機能性表示について、事業者や行政の負担が大幅に軽減される可能性がある」(依田學審議官)としている。現行の規格基準型トクホを拡充する形で制度設計が行われる可能性もありそうだ。機能性表示食品制度に詳しい専門家や、機能性表示食品の販売事業者らからは、「事業者と行政の両方にメリットがありそうだ」「新制度の発足に期待したい」といった声も上がっている。

■基準満たせば表示可能に

 消費者庁が構想している、規格基準型の機能性表示の仕組みでは、特定の食品成分について、消費者庁があらかじめ、「機能性表示の文言(ヘルスクレーム)」と「配合量の上限・下限」「使用条件」を定める。その基準を満たすものであれば、ヘルスクレームや認証マークなどを表示できるようにするという。
 消費者庁では、「機能性表示食品についてはこれまで、6000件以上の届け出が受理されている。中でも、『GABA』や『DHA・EPA』『ルテイン』『ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン』などについては、届け出実績が多く、同一のSR(研究レビュー)で届け出が行われているケースも多い」(同)と現状について話す。
 消費者庁では、機能性表示食品の関与成分として届け出件数が多いものを「参考例」として提示している=別表参照。
 消費者庁が構想する規格基準型の仕組みでは、こうした機能性表示食品の届け出実績が多い成分を、規格基準の成分として設定したい考えだという。
 「実態として、科学的根拠が明白で、届け出実績も多数ある機能性関与成分について、必要な書類を提出してもらえれば、すぐに認証マークを付与するような制度を設けたい。そうすれば、行政上の手間も削減できる。行政のリソースは、機能性表示食品の新しい届け出を受理する方に割きたい」(同)としている。現状では、(1)トクホ制度の拡充で対応する(2)機能性表示食品制度の拡充で対応する(3)栄養機能食品制度の拡充で対応する─の三つのパターンのいずれもありうるという。トクホ制度の拡充で対応する場合には、「遅くとも1年以内にはトクホマークを付与できるようにしたい」(同)としている。
 三つのパターンのどれになっても、法改正を行うことなく新制度を導入できる見通しだという。機能性表示食品の枠組みに規格基準型の仕組みを導入する場合は、通知を発出することにより、制度の変更が可能になるとしている。
 消費者庁では今後、3~4年をかけて、規格基準型の仕組みの導入に向けた取り組みを進めていく考えだという。
 規格基準型の仕組みを導入した後も、現行の機能性表示食品の制度は、継続していく考えだ。


■製品の低価格化につながる

 規格基準型の仕組みの導入に向けた動きについて、機能性表示食品の届け出を行ってきた事業者からは、「期待したい」といった声が上がっている。

(続きは、「日本流通産業新聞」11月02日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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