【EC売り方研究所】チャット接客活用進むか/9割「満足度高まった」

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LINEに対応したロハコの「マナミさん」

LINEに対応したロハコの「マナミさん」

 「一太郎」などパソコン用のソフトウェアの開発などを手掛けるジャストシステム(本社東京都、関灘恭太郎社長)が11月29日に発表した「ECサイト接客サービスに対する消費者動向の調査」によると、チャット接客サービスを利用する約9割が「満足度が高まった」と回答したという。アスクルは14年から、運営する日用品のECサイト「LOHACO(ロハコ)」で人工知能(AI)を活用したチャット接客を実施している。EC業界でチャット活用は進むのか。

 調査は、1カ月に1回以上の頻度でECサイトで買い物をしている20~50代の男女893人を対象に実施された。
 ジャストシステムによると、ECサイトで購入前に不明な点や確認したいことがあった際、チャット形式で問い合わせできるチャット接客サービスを「利用したことがある」のは全体の16.8%で、「今後利用してみたい」という人は33.9%だった。利用した理由では、「メールだとすぐに回答がもらえないから」とした人が26.0%で最多だった。88.7%の人が「ECサイトへの満足度が高まった」と回答している。

■スマホ版の満足度低下

 アスクルが運営するECサイト「ロハコ」でもチャット接客の利用者から高い満足度を得ている。
 アスクルは14年9月に、パソコンから「ロハコ」にアクセスする顧客からの問い合わせに対応するAI型チャットボット「マナミさん」を導入。今年5月からは、スマホ・タブレット向けサイトにも導入している。
 業務の効率化と省人化、顧客満足度の向上が狙いだ。現在、定型的な問い合わせを中心に、問い合わせ件数の約4割をチャットボットで対応しているという。
 ただ、アスクルが顧客に実施したアンケートによると、「マナミさん」の利用に「満足した」人はパソコン版では6割を超える傾向にあるものの、スマホ版では4割程度と低い傾向にある。「マナミさん」はブラウザー上でのサービスのため、一定時間以上が経過するとセッションが中断され、問い合わせの途中でも振り出しに戻ってしまう。スマホは空いた時間での利用が多いため、セッションの中断が満足度の低さに直結しているとみている。

(続きは、「日本ネット経済新聞」12月1・8日合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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