米アマゾンでは最近、競合ともいえる二つの大手企業と提携する動きが見られました。今回の提携は、アマゾンと提携先だけでなく、他の事業者や消費者にとっても、さまざまなメリットがあると考えられます。今回はアマゾンが強化を進める競合との提携の背景や狙いについて解説します。
■双方の強みを生かした提携
競合との提携の一つ目が、23年8月に発表のあった自社サイトの構築をサポートするShopify(ショッピファイ)との提携です。ショッピファイを利用する自社サイトにおいて、アマゾンのプライム会員が、アマゾンの決済や配送のメリットなどを享受できる「Buy with Prime(バイ・ウィズ・プライム)」が利用可能になるというものです。
アマゾンがショッピファイと提携した大きな理由は、双方の強みを生かして相乗効果を生み出せる点だと考えています。
アマゾンの強みとしては、プライム会員の囲い込みなどにおける集客力のほか、FBAによる配送スピードなどが挙げられます。ですが、ショッピファイは集客や配送に関しては事業者ごとに行う必要があり、弱みといえる部分がありました。
一方で、ショッピファイの強みとしては、アマゾンにはないブランディング機能などが挙げられます。
アマゾンも、アマゾンのストアごとにブランドページを構築することは可能です。しかし、自社サイトと比較すると、ブランディングに関しては自由度が低く、弱みといえる部分がありました。
今回の提携により、
(続きは、「日本ネット経済新聞」4月11日号で)
<著者プロフィール>
比良益章(ひら・ますあき)
2006年楽天入社、ECコンサルタント、マーケティング担当などを経験。2009年アマゾンジャパン入社、新規開拓営業、コンサルタント業務に従事し、5期連続でトップ成績を獲得。2010年アグザルファ設立、代表取締役に就任し、Amazon専門のコンサルティングを展開。
【気になる動向を徹底分析! AMAZONレポート】第17回 競合との提携を強化するアマゾン(2024年4月11日号)
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