【ネットショップ「売れる」デザイン・演出テクニック】無駄を省いたスマートデザイン

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季節は猛暑から一転、肌寒い秋へと移り変わりました。夏の間に好調だった商品の売れ行きが横ばいになるなど、気温や天候に左右されやすいEC事業者にとっては少々やりにくさを感じる時期でしょう。
 膨大な商品が検索結果としてヒットする中、いかにお客さまの目に留まり、「今欲しいもの」として認識してもらえるかが鍵。無駄を省いたタイトルやバナーでお客さまに分かりやすく訴求しましょう。


■最近のデザイン潮流とECは迎合すべき?
 昨今のウェブデザイントレンドは「フラットデザイン」や「タイル・レイアウト」など、シンプルかつ各要素に分割されたようなスッキリとしたものが増えてきていますが、目的はさまざまあれど、ワンメッセージをシンプルに伝えることに効果的な商材が最適です。
 テクスチャーやグラデーション、装飾でごまかしが効かなくなった分、デザイン難度は向上しています。つまり増えてきてはいるものの、商材により使い分けをする必要があります。

■消費者と販売者の意図を一致させるスマートな仕掛け
 特に広告クリエーティブの代表格であるバナーは最も多く制作しているかと思います。しかし、消費者にクリックしてもらうためには、情報がバナーを見ただけで直感的に分かり、かつ自分の探していたニーズと合致させる内容を「魅力的」に見せるということになりますが、販売者側として言いたいことを詰め込み過ぎてタイトルが長くなりがちです。
 スマートフォンバナーも増えてきている中で、ますます限りある表示領域の中に自社の強みはできる限り簡潔に、要素をまとめて絞り込むことが鉄則ですが、なかなかできない現状もあります。
 しかし、バナークリック時の消費者の状況をつぶさに見ていくと深い思考ではなく、「直感的に目について、情報が直感的に分かること」でクリックをします。そのためには、キャッチなどのテキスト要素と画像などの視覚的要素が特に重要となります。
 商品特性を一番理解している販売者側としては、消費者にアピールしたいため、たくさんの要素を詰め込みたくなりますが、そうなるとゲシュタルト崩壊(全体性を失い、各部分に切り離された状態で認識されるようになる現象)を起こしやすくなります。
 ウェブページ内であれば当然のことながら、それが例え表示領域が少ないバナーであっても該当します。ゲシュタルト崩壊を起こすと、伝えたいメッセージが伝わらず、見てほしい順番でパーツを認識されず、こちらが伝えたい意図と顧客の解釈が大きくずれていきます。
 バナー領域を大きく使った画像で関心を引きつつ、顧客のニーズに沿ったワンメッセージでシンプルに伝え、そのメッセージ内容だけで判別させてクリックにつなげるべきです。その後、バナーメッセージと連動した着地ページがあることで思考の連続性が保たれ、ゲシュタルト維持をしながら全体像を捉えていってもらえるようになります。
 総じて結論を言うとターゲットを絞り込むと同時にメッセージが決定する。そのメッセージを顧客の言葉に置き換えて簡潔ですっきりとしたバナー制作を心掛けることです。
 しかしそうはいっても強みが複数あることも多いためリスクを感じますが、必ず同一商品で体裁を変えたバナーを複数用意し、期間を決めて最適クリエーティブに向けたABテストを実施して、よりコンバージョンにつながりやすいのかを見極めることは基本です。
 そしてこれはABテストの考えだけでなく何よりこれは目新しさの演出となります。当然のように顧客は2~3度の訪問を経て購入に至るので再訪顧客へにぎわいを演出することも間接的に必須です。
 消費者の「欲しい」と販売者の「売りたい」が、ワンメッセージのクリエーティブ訴求からメッセージをつなげて深めることができるページデザインを目指しましょう!
   (月1回掲載)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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