【EC注目株】第54回エン・ジャパン /転職市場を主軸に04年から飛躍的伸長/当面のメドをIFIS平均株価3400円に置きじっくり構えで

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千葉明氏

千葉明氏

求人情報サイト大手エン・ジャパン(4849)の2015年3月末の社員数は1803名(連結)。IRグループの森脇基氏は「社員の多くが当社のサイト経由で入社しています」と言う。求人仲介市場で存在感を示す証左といえよう。
 設立は2000年。ネット社会本格化の流れで順調に推移した。そしてデフレ経済下でも好調な足取りを示した。とりわけ飛躍したのは04年からの数年間。「新卒採用が絞りこまれました。しかし大手企業には〝先々の社員構成への歪み〟の懸念も強く、第2新卒(転職)採用の需要が高まりました」(森脇氏)。
 同社の主軸は転職市場。「エン転職」を先頭に現在、「エン転職コンサルタント」「エン派遣のお仕事情報」「エンチャレンジ!はた☆らく」など6サイトが稼働している。そして注目に値するのは、サイト改良に対する姿勢。昨年6月の「エン転職」のリニューアルでは、「口コミ付き」「面接の事前サポート機能付加」「スマホ対応拡充」となった。
 森脇氏は「ユーザー目線を常に意識しています。先のリニューアルでは、若者層の転職希望者を意識して取り組みました」とする。結果、「リニューアルから4カ月後には、一つの転職求人広告当たりの応募者数は1・6倍になりました」と誇らしげに語る。
 そうしたエン・ジャパンは11年に『エンカレッジ』を開始している。大企業では独自の社員研修体制をとっているケースが多いが、中小企業では不整備になりがち。そこに着眼。「当方で百数十種類の講座を用意した、定額方式の研修サービスです」(森脇氏)と言う。差別化戦略の実施は、どんな業態でも当該企業にアドバンテージをもたらす。
 エン・ジャパンの事業展開は好循環を生み出している。同社では好循環を「当社ならではの強み、3Eメソッド」と表現する。「E」は採用・教育・評価を意味する英語の頭文字。三位が一体化し事業拡充のエンジン役を果たしている。
 「エン転職」の登録会員数は400万人余。『人材紹介事業』(企業側が求める人材を名仲人が適宜な人材を紹介)でも大きな武器になる。
 そんな同社の株式にどう対峙するか。風に乗ってみたい。前期も期待を裏切らない増収率・営業増益率で着地。今期は25%増収に対し「1・4%営業増益」と慎重な計画。だが開示済みの4―6月期実績の通期計画に対する進捗率は、営業利益で「64%」。当面のメドをIFIS平均株価3400円に置き、じっくり構えてみたい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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