【ネットショップ 「売れる」デザイン・演出テクニック】連載115 中古市場の光と闇(2021年11月18日号)

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 SDGsへの取り組みが世界的な課題となっている昨今、国内の中古市場もどんどん拡大しています。日本には古来より、ものを簡単に捨てない「もったいない精神」が根付いています。コロナ禍をきっかけに、掃除や模様替えを行う際に、まだ使える不用品をフリマアプリに出品する消費者が増加しました。国内の中古市場を拡大させた大きな要因といえます。
 今回は中古品に対する消費者心理と共に、購入時の注意点を伝授します。


■誰もが売り手と買い手になれる

 世界的に見ても、SDGsの波は、アパレル業界や飲食業界に、大きなムーブメントをもたらしています。「エコファー」や「エコレザー」「代替肉」といった、地球環境に配慮した商品が続々と誕生しています。
 特に、環境問題にいち早く取り組んでいるアパレル企業においては、衣類の回収ボックスを店舗に設置する動きが目立っています。今後はさらに、お財布と地球の両方に優しいサービスが求められるようになっていくでしょう。
 国内においても、エコバッグが浸透したことにより、リサイクルに対する価値観が、大きく変化しました。
 これまでも、電化製品やファッションを取り扱うリサイクルショップはありました。実店舗のケースもありましたし、ECで販売する事業者も存在しました。その状況を大きく変えたのが「メルカリ」です。
 通常、店舗で商品を販売する場合、「古物商許可証」が必要です。「古物商許可証」が不要で、誰でも簡単に中古品を販売できるのが、「メルカリ」を筆頭とするフリマアプリなのです。
 営利目的で仕入れた商品の転売を行う際は、古物商許可証が必要となりますが、不用品のリサイクル目的で利用するのであれば、古物商許可証は不要となります。
 コロナ禍以前は、フリマアプリの利用者の多数を、若年層が占めていました。現在では、スマートフォンや、配送業者による梱包サポートサービスの普及が進んだことにより、高齢者の利用も徐々に増加する傾向にあります。「新しい商品を購入する前に、まず中古品を探す」という行為は、「実店舗で商品を購入する前に、まずECで商品を探す」という行為に似ています。その共通点は「価格比較」です。
 比較対象がほぼ存在しなかった「EC黎明期」には考えられなかったことですが、令和におけるカスタマージャーニーには、購入前の価格比較がしっかりと組み込まれているのです。


■「取引簡単」ゆえの落とし穴

(続きは、「日本ネット経済新聞」11月18日号で)

〈著者プロフィール〉
 長山衛(ながやま・まもる)氏
 某大手食品ECサイトで運営を手掛けた後、08年10月にECサイトの運営代行などを手掛ける株式会社ネットショップ総研を設立。
 11年11月に「食品ネットショップ『10倍』売るための教科書 リピーターを確実に増やす商品プレゼン77のテクニック」(日本実業出版社)を上梓。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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