【ネットショップ 「売れる」デザイン・演出テクニック】連載114 変化する福袋事情(2021年10月14日号)

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 今月から首都圏の緊急事態宣言が解除され、街は少しずつ活気を取り戻しつつあります。お歳暮やおせち料理の予約も開始され、いよいよ年末商戦が近づいてきました。
 年末年始に特に話題となるのが福袋です。
 コロナ禍の影響もあり、ECで予約・購入することが主流となった今、百貨店の店頭に人が押し寄せる争奪戦のような光景は遠い昔のことのように感じます。
 この2年間で消費者の考え方や生活様式は大きく変化しており、販売者側も時代のニーズに合わせて戦略を変えていく必要があります。
 そこで近年の福袋の購買傾向とともに、消費者が本当に欲しい福袋の中身について考えてみましょう。


■夏の福袋が登場

 福袋は年末年始の風物詩であり、特にファッションジャンルの人気が高い傾向があります。
 ところが、21年は、食品業界の大手企業が、「夏の福袋」と銘打った商品を続々とリリースしました。参加企業としては季節柄、コーヒーチェーンが多かったです。店頭予約か、またはECで購入できるシステムとなっていました。
 「夏の福袋」の中身を見ると、アイスコーヒーなどに加え、コーヒーチケットや商品券、トートバッグなどのオリジナルグッズをセットにしたものが目立ちました。
 外食チェーンの松屋では、「グルメ福袋」と銘打った商品をECのみで販売しました。定番の牛めしや牛カルビ焼肉のレトルト商品に加え、店頭では食べられないオリジナルカレーをセットにするなどして、ECならではの付加価値を提案していました。
 外食を気軽に安心して楽しむことができていた頃に比べると、消費者の意識は家の外ではなく中に向いているようです。「お店の味を家で手軽に楽しみたい」というニーズに変化していることが伺えます。
 消費者が外食を選ぶ理由として、「お店でしか味わえない」「作るのが面倒」「安上り」などの理由が考えられます。
 テイクアウトが浸透したことや、レトルト化が進みECでも購入が可能になったことから、在宅消費でも十分、こうしたニーズをカバーできるようになりました。そのため、外食へのこだわりは以前ほどなくなったように感じます。
 とはいえ、「また店頭に来てほしい!」という販売者側の想いが、コーヒーチケットや商品券に込められているのは言うまでもありません。


■SDGsと福袋

(続きは、「日本ネット経済新聞」10月14日号で)

〈著者プロフィール〉
 長山衛(ながやま・まもる)氏
 某大手食品ECサイトで運営を手掛けた後、08年10月にECサイトの運営代行などを手掛ける株式会社ネットショップ総研を設立。
 11年11月に「食品ネットショップ『10倍』売るための教科書 リピーターを確実に増やす商品プレゼン77のテクニック」(日本実業出版社)を上梓。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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