【EC注目株!】第41回 〈比較.com〉祖業は比較サイト。宿泊サイト展開から飛躍的成長/株価1200円台後半も品薄株独特の荒い値動きに留意を

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千葉明氏

千葉明氏

 比較com(2477)は、2003年8月に設立された。現在の中核事業は二つ。商品・サービス・価格の比較サイト「比較com」の開発・運営と、宿泊予約サイトコントローラー「手間いらずNET」「TEMAIRAZU」の開発・提供だ。
 祖業は比較サイト。「証券会社比較」が同社の名を世に知らしめるきっかけとなった。比較サイトのビジネスモデルは、成功報酬型。例えば「証券会社比較」では、ユーザーがサイトで証券会社の比較を行い、どの証券会社に口座を開設するかを選択。当該証券会社に誘導するボタンをクリックする。画面が当該証券会社のサイトに遷移し、ユーザーが口座を開設すれば開設手数料が支払われる。
 上場後の07年にプラスアルファを買収。宿泊予約(比較)サイトコントローラー「手間いらず」の展開を開始、成長階段を駆け上がった。周知のとおり、旅行業界ではネットによる宿泊予約が主流となっている。加えてインバウンダーの急増。宿泊施設は複数の宿泊予約サイトの空室情報(以下、在庫)を一元管理し、顧客の取り込みによる「売り上げ増」を図るのと同時に、「コスト削減」の追求を重要課題としている。「手間いらずNET」「TEMAIRAZU」はその基幹システム機能とし、好評を得ている。その商品機能は具体的に以下のような具合である。
 〈簡単な画面操作で日ごとの在庫・料金の一元管理が可能〉
 〈在庫と料金の自動調整ができるイールドマネジメント機能〉
 ちなみに課金システムは、「システム利用料」と「従量課金」の二本立てだ。
 現在同社が注力しているのは海外戦略。観光立国への流れや東京五輪開催で、20年までには毎年2000万人以上の外国人が日本を訪れると予想されている。そうした状況下でグローバル商品機能の強化が進められている。具体的にはAHN社(アジア向けに特化した宿泊予約システムを運営)や、米国Sabre Hospitality solutions社の宿泊施設システム部門と提携するなど、訪日外国人観光顧客を取り込みやすい環境整備を急いでいる。
 そんな同社株とどう対峙するか。前6月期計画を期中に上方修正している。そして開示済み第3四半期の修正後営業利益に対する進捗率は90%。株価は5月に1608円まで買い進まれ時価1200円台後半。この限りでは拾い場。しかし〝品薄株〟独特の荒い値動きには留意を。上場15年目、配当実施の報に接したい時期だ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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