アウトドア用品を販売するミモナは今年1月、東京証券取引所が運営するTOKYO PRO Marketに上場した。22年5月期の連結売上高は35億8300万円だった。全体売上高の50%以上をEC売上高が占めているという。成長をけん引しているのが、自社開発した万能調味料「アウトドアスパイス ほりにし」だ。コロナ禍のアウトドアブームの波に乗り、売り上げを伸ばした。今後はグローバル化を推進し、さらなる成長を狙う。地方発グローバルブランドの確立を目指す池田道夫社長に、ブランドの魅力や今後の戦略について聞いた。
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─なぜ上場しようと考えたのか。
当社は和歌山県のかつらぎ町に本社を置いている。人口は1万6000人弱と少ない小さな町だ。上場している企業のない地方から、上場企業が生まれることに意味があると考えている。地方の小さい町からでも上場できることを多くの人に知ってもらいたかった。そのことが地域活性化につながれば良いと思っている。
ただ、上場に向けた準備は大変だった。感覚的にやってきた業務は、ある程度の基準点に合わせる必要があった。
地方にあることを理由に、都会の企業とは別物のように認識されてしまう部分を、内部体制の強化でカバーした。規模が拡大していくにつれて、組織的に業務を進行することができてきた。
─貴社の強みは。
当社のアウトドアショップ「Orange(オレンジ)」と、万能調味料「アウトドアスパイス ほりにし」の知名度が高いことだ。そのブランド力や発信力をベースに、店舗とECの販売促進を図ってきた。
当社が最初に「アウトドアスパイス」というカテゴリーを作り、商標を取った。アウトドアというジャンルの中に新しい風を吹かせた。
22年8月、全国のローソンで「からあげクン」と「アウトドアスパイス ほりにし」のコラボ商品を発売した。ローソンがこれまで販売した340フレーバーの中で、9位に輝く実績を残すことができた。
ローソンにとっても、当社にとっても記録的な事例だ。さらに、今年3月7日から近畿地方のローソン限定で「からあげクン」との新たなコラボ商品「燻製ほりにしブラック味」の販売を開始した。
話題性のある取り組みに注力し、ブランドの認知を広めている。
─「アウトドアスパイス ほりにし」とは。
アウトドアのみならず、家庭でも使える調味料だ。「オレンジ」の堀西晃弘マネージャーがキャンプに持っていく調味料を減らしたいと考え、19年に開発した。肉・魚・野菜など何でもおいしくする万能調味料として人気を集めている。
(続きは、「日本ネット経済新聞」4月6日号で)
【ミモナ 池田道夫社長】 <東京プロマーケット上場> ヒット調味料、次の成長狙う(2023年4月6日号)
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