化粧品・食品通販のSONOKO(ソノコ)は、ECサイト「SONOKOオンラインショップ」を運営している。コロナ禍に行った施策により、足元の売り上げではECサイトが急伸している。メルマガで割引販売を告知するなど、既存顧客の引き上げを主軸とした販促にシフト。ECで購入した場合、月内での2回目の購入は送料無料とするなど、電話注文やECの利用拡大を促している。コロナ禍における施策や今後の顧客アプローチについて、宇田川裕昭社長に聞いた。
■対コロナの商品が好調
─外出自粛要請により、直営店舗の売り上げが落ち込んだ。電話注文やECサイトの利用は、それをカバーできるほど拡大したか。
既存顧客への割引販売などといった施策が奏功している。店舗の減収分をカバーできている。特にECサイトは20年に入ってから、他の販売チャネルと比較して伸び率が大きい。20年1~6月のEC売上高は、前年同時期を上回っている。
除菌ハンドジェルや、繰り返し使えるマスクなど、コロナ禍を踏まえた商品も新たに発売し、売れ行きは好調だった。休眠顧客の呼び戻しにもつながった。
5月に発売した「薬用消毒ハンドジェル」は、1000個の在庫が3日で完売した。ECと電話注文で販売したが、8割のお客さまがECを利用した。同様に5月、「洗える制菌加工マスク」も発売し、こちらも堅調な売れ行きだった。
─ECサイトの「特集」企画では、コロナ禍を意識したセット商品も目立つ。
在宅で過ごす時間が増えたことから、野菜セットの宅配サービスや、EC限定の食品詰め合わせセットをラインアップした。セットに入れる食品は、常温保存でも日持ちしやすいものを選んでいる。
コロナの感染拡大が深刻化し始めた3月から、受注はかなり増えている。ECサイトの利用件数も増加。単品で販売するよりも、セットにしたことで客単価も上がっている。
─コロナ後のECの施策について聞きたい。
ECでは、インスタグラムやフェイスブックの公式アカウントを活発に運用し、30~40代の引き上げを図る。メインのお客さまである50~60代よりも若い世代だ。
直近では、7月に発売予定の「8週間ダイエット献立セット」をフックに、SNSなどを活用した新規獲得施策と連動させていく。
現在、ECサイトで購入した方を対象に、同じ月であれば、2回目の購入時は送料無料としている。2回目にサイトを訪れた人は、「ついで買い」も多く、顧客単価の引き上げにつながっている。通常、送料は1万円以上買った人を無料としていた。買い忘れがあっても、その商品の単価が1万円を超えないときは、購入を見送ってECサイトを訪問しないお客さまも多かったと思う。
送料無料サービスは今後も継続して実施する。
─同じ月の購入で、3回目以降は送料無料としていないのか。
(続きは、「日本ネット経済新聞」6月25日号で)
【SONOKO 宇田川裕昭社長】 〈SONOKOオンラインショップを運営〉休眠顧客の呼び戻しが順調に
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