引き出物EC「エンジェル宅配」野口莉加社長/安心感を演出したサイト作り

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 一般社団法人日本イーコマース事業協会(事務局大阪府、黒田英樹会長)が主催する「第8回全国ネットショップグランプリ」の「日本ネット経済新聞賞」(本紙選出)は、アールウェディング(本社福岡県、野口莉加社長)の「エンジェル宅配」が受賞した。引き出物のECは発送に至るまでが複雑とされているが、動画を活用したサービス案内や相談員をサイト上に公開することで、注文するまでのプロセスを分かりやすくしているのが特徴だ。野口社長にサービスの概要や、サイト作りで工夫しているポイントを聞いた。

【自宅に引き出物を配送】
ーー「エンジェル宅配」のサービスについて教えてください。
 結婚式の引き出物を、ゲストの自宅へ直接配送するサービスです。これまで結婚式の引き出物と言えば、式場で配られた物を持ち帰るのが一般的でした。
 引き出物は大きかったり重かったりと、遠方から来るゲストやお年寄りには負担でした。これを解決しようと「エンジェル宅配」を立ち上げました。ゲストには、披露宴当日に卓上カードで引き出物を配送した旨をお知らせし、事前に指定した日時に合わせて引き出物を自宅に配送するサービスです。
 結婚式から帰宅したタイミングで自宅に引き出物が届くため、高齢者や妊婦などの負担を減らすのに役立っています。若い人でも二次会への移動時や天候が悪い時は、引き出物があると大変なので、手ぶらで帰る事ができます。
 設立間もない頃、複雑なサービスの使い方がネックになり電話やメールの問い合わせも多かったのですが、認知度が高まるにつれて、ECサイトだけで契約が成立するようになっています。
 ーー結婚式場などと提携しているのでしょうか。
 提携している会社はありますが、多くの顧客(新郎新婦)がネットで検索してECサイトに流入している状態です。式場はもともと契約している引き出物業者がいますので、その商品を販売したいという思いもあるようです。それに対して、当社は梱包、配送の代行だけを請け負う提案もしています。
 しかし、当社は式場への引き出物販売から事業を立ち上げたこともあり、式場より多くの商品を用意しています。カタログギフトから食器セット、お菓子などジャンルも豊富で約4000品目を取り扱っています。組み合わせの選択範囲が広がる点で新郎新婦にも好評です。
 また、自分で組み合わせた引き出物を式場に持ち込むと1セット当たりの持ち込み料や紙袋代がかかったりする会場も多くあります。100人規模の式だと紙袋代だけで数万円支払う必要があります。これを宅配にすれば持ち込み料は発生せず、挙式の出費を節約するのに役立っています。
 今後は、当社と式場にメリットがある形が見出せれば、BBの展開も行っていきたいと考えています。

【取り扱い内商品も梱包】
ーー御社の強みはどこにあると考えますか?
 一つは、「持ち込み宅配」にも対応している点です。取り扱いのない商品や新郎新婦ゆかりの品も、当社に送ってもらえば梱包し、引き出物としてお送りします。「パンフレットの中にない物、自分たちの思いが込められている物も贈りたい」という意見に対応しました。
 ウェディング業界では家族、親族、友人ごとに引き出物の中身をそれぞれ用意するのがトレンドで、段ボールも用途に合わせたサイズを複数用意する必要があり、判断が難しいケースも多くあります。

(続きは「日本ネット経済新聞」4月21日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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