EC事業者の「物流」に関する支援サービスを、ECのネットメディア「eccLab」と共同でまとめた。サービスマップでは物流代行カテゴリー内に、アパレル会社にターゲットを絞った「アパレル向け」、通販会社が提供する「通販会社系」、運送会社グループが提供する「運送会社系」、コンサル会社が提供する「コンサル会社系」、自社で倉庫を抱えない「クラウド系」といったカテゴリーを設けた。物流代行以外に倉庫管理システム(WMS)と宅配便サービスも取り上げている。
13年以降、大手宅配便事業者が相次いで配送料を値上げした。EC事業者のコストが高まる一方、サービス競争は過熱している。利益を確保するため、物流コストを削減しようとするEC事業者が増えている。
EC事業者のニーズに応えるため、低価格をうたう物流代行サービスも増えた。新興企業のオープンロジは、自社で倉庫を抱えず、倉庫会社の遊休スペースを活用した低価格な物流代行サービスを提供している。
物流代行会社の低価格競争も限界が来ているという見方もある。煩雑なEC向けの物流を安価に提供しても、利益の確保が難しくなりつつあるのだ。人件費の高騰なども影響している。
成長性の高いEC事業者向けに付加価値のあるサービスを提供する物流代行会社もある。利益率が高い化粧品や健康食品の通販会社向けに独自のサービスを提供したり、システムや決済などフルフィルメント全般の最適化を提案したりする事業者も登場している。
■WMSの差別化進む
WMSではロジザードの在庫管理システムがシェアを拡大している。提携する倉庫会社を増やすことで、EC企業を支援している。
一方、大手企業向けに差別化するシステムも登場している。ダイアログは多機能型WMSをクラウドで提供。EC事業者の環境に合わせたシステム対応の柔軟性を強みにしている。
宅配便最大手のヤマト運輸は、グループ全体で物流代行サービスやWMSも提供している。EC事業者向けに総合的に物流を支援できる体制を武器として、顧客開拓を進めている。
【EC支援サービスマップシリーズ 「物流」】
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