【メール配信システム】 〈インタビュー〉ユミルリンク 清水亘代表取締役社長/セキュリティー対策が評価、新規導入数が過去最高更新

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 阪急阪神東宝グループのユミルリンク(本社東京都、清水亘社長、(電)03―6820―0515)は19年度だけで新規導入企業数が約200社に上り、年間での新規導入企業数は過去最高を更新した。高いセキュリティー対策が評価され、ECだけではなく、金融関連業界にも導入先が広がっている。清水社長にメール配信事業の今後の事業展開について聞いた。

 ─19年12月期の業績について聞きたい。
 19年12月期の売上高は前期比15.6%増の14億1000万円となる見通しだ。このうち、メール配信系は同16.8%増で、全体の95%をメール配信事業の売り上げで占めている。
 HTMLメール作成機能「HTMLエディター」や、分析ツール、かご落ちをメールで知らせるリマインド機能を付加した「カートリマインド」など、メール配信に関わるさまざまな機能を充実したことが受け入れられたことが増収要因だ。
 今期だけで新規取引先は約200件に上る。金融関連業界が前期と比べて3割ほど増えた。金融業界はクラウド化への移行が加速する中で、セキュリティー基準を満たしている点が各企業に受け入れられているようだ。
 ECカテゴリーでの増加の割合は正確に出していないが、2~3割程度は増えている。EC企業は何らかのメール配信ツールを使っていることから、依然として当社のサービスとの親和性が高い。特に「日本ネット経済新聞」のファッションEC売上高ランキングで上位の企業による導入は増加傾向にある。
 ─新規取引先の開拓はどうか。
 ウェブ検索の強化に加え、展示会などへの出展でサービスの認知を広げた。最近では、導入していた企業の担当者が転職するEC企業でも、導入をしていただくケースが目立ってきた。
 導入の理由を聞くと、性能面と使いやすさが評価されているようだ。新規で導入するより、他のサービスからの切り替えが多い。最近では、サービスの安定稼働という点で評価をいただいている。具体的には、長時間のメンテナンスや障害による突発的に利用できない時間帯の有無について、他社と比較して安定度が高いという声をいただいている。
 当社の場合、メール配信システムの年間稼働率については、99.99%以上と、障害がほとんど発生しない状況を維持している。メンテナンスは、お客さまの配信業務に差し支えがない時間帯に行うなどの対策を講じている。また、緊急時に備え24時間365日常駐のスタッフ配置を始めており、フォロー体制を充実させている。
 EC企業に限ったことではないが、事業を継続していくにつれて、配信するメール会員数も増えていく。増えれば増えるほど、安定した配信が求められており、そのタイミングで当社に切り替える企業も多い。
 ─導入後のフォロー体制についてはどうか。
 当社では、利用企業さま専用のサポートデスクを設置し、電話・メールで困り事を解決する体制を整えている。サポート対応品質を高めることを目的に、いただいた依頼や要望について、どのくらいの時間で返答できているのかを測定し、日々改善につなげている。
 活用方法についてのセミナーも随時開催している。パートナー企業と連携し、メルマガについて添削や改善方法を伝えるような、コンサルに近いサービスも提供している。未導入の企業でも気軽に参加ができ、有力な接点づくりにもなっている。
 ─SMS(ショートメッセージサービス)については。
 昨年11月に提供を開始したSMS配信サービスは、EC企業も活用している。例えば、定期購入の会員に対して、決済できなかった場合に告知をするツールなどとして活用している。
 また、カタログ通販など電話注文の場合は、口頭でメールアドレスを聞くことができないケースもある。携帯電話の番号だけが分かればSMSで訴求することも可能だ。
 ─SMSがマーケティングツールとして進化する可能性については。
 十分あり得るだろう。情報を伝達する手段としては既存のメール配信などと変わらない上、本人認証などの用途でBtoCを中心に利用が急増しており、社会のインフラとしての機能性も高い。コミュニケーションアプリやプッシュ型通知同様、単体で使うよりも、複数のマーケティングツールを組み合わせることで、成果につながるものと考えている。


〈「キューノートFC」 サービス概要〉

 ユミルリンクが提供するメール配信システム「Cuenote(キューノート)FC」は、大量のメールを高速で確実に配信できるのが最大の特徴だ。「キューノートFC」は、メールの効果測定や会員管理、システム連携用のAPIなども提供し、メールマーケティングも可能。導入金額はユニークアドレス数2000件の場合、月額5000円で配信通数は無制限。
 「HTMLエディター機能」は、HTMLの知識が不要で、簡単にHTMLメールが作成が行える専用のエディターが利用できる機能となっており、標準機能として搭載されている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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