GMOペイメントゲートウェイ(PG)は、EC向け総合決済サービス「PGマルチペイメントサービス」を展開している。イノベーション・パートナーズ本部・戦略事業統括部・イノベーション戦略部・谷中亮部長に今後の事業戦略について話を聞いた。
─御社の最近の取り組みについて聞きたい。
最近1~2年間は、改正割賦販売法の対応を進めてきた。当社では、年間で二~三つの新しい決済手段を増やしていきたいと考えている。それは、機能がしっかりアップデートしていることに加え、お客さまの要望にしっかりと応えていくというサービス展開の一環だ。
総合決済サービス「PGマルチペイメントサービス」として、5月にエポスカードのオンライン決済サービス「エポスかんたん決済」と、アマゾンの決済サービスである「Amazon Pay」をそれぞれ追加した。
─BtoC―EC向けの取り組みについては。
市場としては毎年10%ずつ伸長している市場で、当社はそれ以上に伸ばしていかなければならないと認識している。当社では、比較的大手の通販・EC企業から利用いただいており、中小ECはグループ会社のGMOイプシロン(本社東京都)が担っている。
当社は100人を超える営業社員を配置しており、1社につき2~3人が担当する企業もある。手厚いフォローが他社との差別化になっている。こうした対応の中で、企業の課題を解決するためのツールを日々開発している。こうした要望は「機能改善リスト」化し、定期的に社内ミーティングを実施することで解決につなげている。
世間では、キャッシュレス決済手段が増えていく中で、導入の検討をされるお客さまも想定して日々製品作りに努めている。
その一つが5月に導入した「Amazon Pay」で、決済手段ごとの売上金は当社が取りまとめて一括入金するため、入出金管理の手間も省けるメリットがある。
─決済手段の充実がサイトからの離脱防止につながると。
他社の調査では、サイトから離脱する要因に「希望する決済手段がない」ということが上位となっていた。当社では、EC企業に対して決済手段の充実を提案することで業績アップの支援にもつなげていきたい。
格付け会社が主催するカスタマーサポートに関する評価で、最高賞を2年連続で獲得している。カスタマーサポートについて、加盟店への顧客目線による対応が評価されており、自信につながっている。
─BtoB―EC対応にも力を注いでいる。
ラクーンフィナンシャルと共同で、早期資金化サービス「Paid早期払い」の提供を始めている。来年1月には、インフォマートの請求書電子化サービス「BtoBプラットフォーム請求書」を利用する事業者に対し、請求書をワンクリックで資金化できる「電子請求書早払い」の提供を開始する。すでに引き合いも多く、早期資金化へのニーズの高さを感じている。
現状ではファイナンスの部分で対応しているが、企業の業務効率化に向けて、課題解決に向けた取り組みをしていきたい。
─今後の事業展開については。
キャッシュレス決済については、システム基盤やチャージ型などバックエンド機能提供のニーズが増えており、○○Payの約6割程度(GMO―PG調べ)に何らかの形で当社が関わっている。顧客基盤を持つ小売りや事業者から「○○Pay」のようなニーズがあれば対応していきたい。
【Eコマース業界地図 「決済編」〈総合決済〉】 〈インタビュー〉GMOペイメントゲートウェイ イノベーション・パートナーズ本部・戦略事業統括部・イノベーション戦略部 谷中亮部長/決済手段の充実を提案、業績アップ支援
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