【特集 イチ押し支援サービス】 〈導入事例 サイト内検索「プロボEC」「ポップリンク」〉/「エノテカオンライン」 導入後の転換率は2・8倍に

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ワイン事業本部通販事業部兼リテールマーケティング部・プロジェクト・事業企画チーム・渡辺彩子氏

ワイン事業本部通販事業部兼リテールマーケティング部・プロジェクト・事業企画チーム・渡辺彩子氏

 アサヒビールのグループで、ワインの専門商社として輸入販売を行うエノテカ(本社東京都、黒木誠也社長)は、ワインのコンテンツを特集ページとして充実させてECの受注増加につなげている。5月28日には、チャットでやり取りができるウェブ接客ツールを導入したほか、9月にはスマホアプリの導入を予定している。
 通販事業は2000年5月に開始。ここ数年のEC売上高は10%増で推移している。ECに加え、電話で注文できる体制を整える。自社サイトのほか、楽天市場やヤフーショッピング、ヤマダモールに出店。自社サイトの売り上げが全体の77%を占める。EC全体の6割がスマホからの注文となっている。
 通販事業部のスタッフは約40人で構成。そのうち10人ほどは電話での問い合わせや注文を受けるオペレーターとして在籍する。
 5月に導入した「チャット」では、電話対応するカスタマースタッフが交代でチャットに対応することで、電話と同じレベルの品質をチャットでも実現しているという。従来はメールで対応することも多かったが、よりリアルタイムに接客することで品質向上につなげている。接客における知見が蓄積されれば将来的にボットでの対応も検討する。「導入後、目標にしていた転換率はクリアできている」(ワイン事業本部通販事業部兼リテールマーケティング部・プロジェクト・事業企画チーム・渡辺彩子氏)と話す。
 19年は、店舗との連動を図る方針を掲げる。店舗とECでの共同販促を強化することなどを検討する。
 今年4月からは、紙ベースでの会員登録を取りやめ、LINEで会員登録証を表示する形式に切り替えた。LINEを活用し、イベント告知やキャンペーン販促などのポップアップで情報を配信する予定だ。


■多様な絞り込み検索で、ユーザーニーズに対応

 エノテカは17年4月、ビジネスサーチテクノロジ(BST、本社東京都、川邉雄司社長、(電)03―3498―6922)が提供する、ECサイト内検索「probo EC(プロボイーシー)」とサジェスト機能「ポップリンク」を導入した。
 さまざまなワインを比較検討したいユーザーのニーズに応えるために、絞り込み検索機能が充実できる点が決め手となった。ECサイトには約3000~4000品目を掲載。ECサイトをスクラッチで構築したのだが、自前開発で検索機能を強化することに課題を抱えていた。
 「プロボEC」導入後は、ヒット件数付きの絞り込み検索が可能になり「タイプ」「産地」「品種」「価格帯」などの条件からの選択が簡単になった。昨年には、絞り込み条件にフルボディなど「味わい」を追加して、店舗での接客に近づけるようユーザーの多様なニーズへの対応を行なった。BSTのサービスは、導入実績が800社以上と豊富にあることもあり「導入に必要な情報が明確でスムーズだった」(渡辺氏)と話す。「プロボEC」導入後のサイト内検索を利用した人の転換率が5月実績で2・8倍に向上した。
 また、導入前には機能面が不十分だったとして、前面に押し出していなかったECサイトの検索窓は、「ポップリンク」を導入したことで、キーワード検索で目的の商品に着実に誘導できるようになった。EC売り上げの約10%はポップリンクを利用したセッションによるもので、成果につながっている。
 今後は、力を注いでいる特集ページの読み物コンテンツを検索結果に反映するほか、BSTの商品ランキングを自動更新できる「ポップランキング」の導入で顧客と商品の接点を増やす考えだ。


〈「プロボEC」「ポップリンク」サービス概要〉

 ECサイト内検索「probo EC(プロボイーシー)」は、複数サイトの商品に関係する情報を一つの検索結果で表示できるシステム。検索の「ゼロ件ヒット」に起因する離脱を防止し、コンバージョンページまでの到達率の改善が期待できる。
 「ポップリンク」 は、サイト内検索でキーワードが入力された際に、入力候補キーワードの表示や、キーワードから予測される商品の詳細ページへのリンクを画像とともに表示するシステム。商品名の候補を先に補完表示することで、入力ミスや勘違いによる検索の不一致を解消する。検索窓から直接詳細ページにリンクさせることにより、商品情報が顧客の目に触れる機会を増やす。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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