メール配信システム大手のエイジアは5月13日、配信チャネル最適化に力を入れていく方針を明らかにした。マーケティングオートメーション(MA)ツールの開発・提供事業からは撤退する。
同社の強みであるメール配信システムの強化に経営資源を集中。顧客満足度(CS)の向上を図ることを通して、売り上げ拡大につなげる考えだ。
メール配信システム「WEBCAS e―mail(ウェブキャス・イーメール)」は、機能の充実ぶりが高く評価されている。
例えば、メールの件名を、顧客情報に基づいて自動的に変える機能なども備えている。開封率向上に役立つのだという。同システムは、多くの通販事業者に導入されており、契約数は1200件に上るという。
「メッセージ最適化ソリューション」を提供するという新たな開発方針の下、配信システムの機能の拡充に取り組んでいく。通常のメールに加え、LINEやSMS(ショートメッセージサービス)などによるメッセージ送信の機能拡充にも取り組んでいくという。
「他社に乗り換えたお客さまが、メール配信の性能に満足できず、弊社に『戻ってくる』例も少なくない。今後は、メールだけでなくLINEやSMS、スマホアプリなど、マルチチャネルに強いベンダーとして長所を伸ばしていきたい」(経営企画室)と説明する。
今後の配信チャネルの中では、SMSとLINEが拮抗すると、同社では見ている。SMSは、即時性の高い配信手段として人気が高まっている。一方、LINEは今後、顧客が「お友達登録」をしていなくても、電話番号を把握できていればメッセージが送れるようになると同社では予想している。
「LINEはSMSよりもコストがかからず即時性も高いので、今後はますます汎用性の高いチャネルとして利用されるようになるのでは」(同)と話している。
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