〈EC事業者のインスタグラム活用〉 特設サイトから商品購入に誘導/1年で14万人超のファン集める事例も

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 写真や動画のSNS「インスタグラム(インスタ)」が、女性を中心に、急速にユーザー数を拡大している。EC業界にもインスタを販促に活用する事業者が増えてきた。ジーユーはインスタを活用した新商品のキャンペーンを実施することにより、ECサイトの集客を拡大している。雑貨ECのクラシコム(本社東京都、青木耕平社長)はインスタ上での販促の取り組みを開始してからわずか1年程で14万人以上のフォロワーの獲得に成功した。注目度の高まるインスタだが、「フォロワーの獲得」や「ECサイトへの誘導」などにつなげるにあたって困難を感じるというEC事業者も多いようだ。先行企業の取り組みからインスタ活用の最新事情を分析・紹介する。

1万以上の「いいね」

 インスタは、写真や動画に特化したSNS。スマートフォン(スマホ)アプリには、写真を加工できる機能が備わっている。素人でも美しい写真を投稿できる点などが、女性を中心としたユーザーから、強い支持を集めている。
 サービス開始から4年間で、全世界の月間アクティブユーザー数はすでに3億人(14年12月時点)を超えている。1日の平均アクティブユーザー数も2億人と多く、利用頻度の高さも特徴だ。国内のユーザー数(15年3月時点)も1年間で2倍以上に増加しているという。
 インスタを活用しようとするEC事業者はまず、「フォロワーの獲得」に苦労するケースが多いという。
 ファーストリテイリングの子会社で、アパレル店を展開するジーユー(本社東京都、柚木治社長)は今年4月、インスタを活用したキャンペーン企画を開始。大きな反響を集めることに成功したという。
 開始したキャンペーンは、タレントやモデル、ブロガーなど約30人に、同社の新商品である「グラフィックTシャツ」を着用した写真を投稿してもらうというもの。投稿された写真は、特設サイト「GU TimeLine(ジーユー タイムライン)」上にデジタルカタログのように掲載されるようにした。
 影響力の大きなユーザーに、「#GUTL」というハッシュタグを付けて、商品の着用写真を投稿してもらうことにより、同社のカタログサイトの認知度を高め、商品の購買につなげるのが狙いだ。実際にタレントが投稿した写真には、1万以上の「いいね!」が付くなど、大きな反響につながった。
 特設サイトには、同社のインスタ公式アカウントからだけでなく、同社のECサイトからもすぐに飛べるようにした。ECサイトのユーザーにもキャンペーンを知らしめることにより、インスタ上のフォロワー数は急増。現在は3万5800人を超える規模に拡大しているという。

(続きは「日本ネット経済新聞」6月4日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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