公正取引委員会/取引実態の調査開始/アマゾンなど大手ECモールも対象

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 公正取引委員会は1月23日、デジタル・プラットフォーマー(DP)の取引慣行に関する実態調査を開始した。アマゾンや楽天市場など大手ECモールも対象となる。手始めとして、公取委のウェブサイト上で同日、任意の情報提供の呼び掛けを始めた。今後は、大規模なアンケート調査や、独禁法40条に基づく強制調査を行う可能性もある。同調査は、18年12月に公表された「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」の中間論点整理を踏まえて公取委、経済産業省、総務省が定めた基本原則に基づいて行われる。
 公取委のウェブサイト上には「DPに関する取引実態や利用状況についての情報提供窓口」が開設された。同窓口では、ECモールやインターネットオークション、SNSなどといったDPを利用する、事業者や消費者に対して、取引内容や利用状況、実際にあった問題と思われるDPの行為についての情報提供を求めている。
 公取委の山田昭典事務総長は23日、定例記者会見で、情報提供窓口の設置について、「DPが競争上優位な地位になるのか、競争に影響を及ぼすような不当な行為があるのかといった実態を把握するために、まずは情報提供を呼び掛ける窓口を設置した」と話した。具体的に、いつごろをめどに、誰に対してどのような調査を行っていくのかについては、「決まっておらず、決まっても公開するかどうか決まっていない」(経済取引局総務課)としている。
 「DPを巡る取引環境整備に関する検討会」は、中間論点整理の中で、DPの社会的責任や利用者の公平性の確保について、ルール整備を進めていく必要性があることを示している。実態調査では、独禁法40条の一般調査権(強制調査権限)の活用も視野に入れているとしている。同法40条に違反して出頭の拒否や資料の提出を怠った場合、20万円以下の罰金が課せられる。
 公取委は今回の調査結果に基づき、DP規制の方向性を定めていくとみられている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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