厚生労働省は1月1日、海外で販売されている、脳機能向上を標ぼうする医薬品やサプリメントについて、個人輸入を原則禁止する通知を行った。厚生労働省が指定した成分を含有する商品については、薬監証明(※参照)がなければ個人輸入はできなくなった。指定成分を含有するサプリメントは、「賢くなる薬」や「スマートドラッグ」などとして個人輸入されており、健康被害の報告が、消費生活センターに寄せられていた。
同通知は18年11月26日に行われ、19年1月1日に施行された。指定成分を含むサプリメントなどを使用した消費者に、健康被害が生じているという情報を、厚労省がPIO—NETや専門家から収集。個人輸入の原則禁止に至ったという。厚労省が指定した成分は、アテノロールやアテモキセチンといった成分25品目。日本では高血圧を抑制する医薬品の成分として配合されているものもある。
これまでは一定の数量以下であれば個人輸入が可能だったが、今後は税関で止められる。厚生労働省は、今回指定した25品目の成分の他に、サリドマイドを含んだ医薬品や、中国製の精力剤などを、個人輸入に薬監証明が必要な商品として指定している。
厚労省監視指導・麻薬対策課は、「PIO—NETの監視や国民生活センターとの情報連携を強め、健康被害情報の把握に努めている。サプリメントの濫用による健康被害を防ぐために、専門家に相談しつつ、取り締まりを強化していく」と話している。
※薬監証明…医薬品を海外から輸入する場合に、厚生局が発行する確認済み輸入報告書。個人使用など、ビジネス以外の目的で輸入を行うことなどを条件に、地方厚生局が交付する。
厚生労働省/「賢くなるサプリ」規制/脳機能向上サプリの輸入を原則禁止
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