オイシックス18年3月期/経営統合で売上高380億円規模に/会員数20万人を目指す

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記者会見する高嶋宏平社長

記者会見する高嶋宏平社長

 今秋にも大地を守る会との経営統合を予定しているオイシックスは、18年3月期の売上高を前期の約1.6倍となる380億円、会員数を約1.5倍となる20万人規模に引き上げる計画を発表した。5月11日の決算説明会で、経営統合後の経営方針を明らかにした。
 高島宏平社長は、経営統合を決断した理由について、「企業理念は似ているが、顧客層が異なることからシナジーが得られると考えた」と述べた。
 経営統合に伴い、19年3月期に目標としていた流通総額400億円は前倒しで達成する見込みとしている。統合後の18年3月末までに新たな中期経営計画を策定していく。
 商品戦略としては、販売が好調な「献立キット」のターゲットを料理の初心者にも広げる。秋以降に新たなキットの製造工場を新設。約4億円を投資し、生産能力を現在の2.5倍に引き上げる。大地を守る会が製造を委託しているタイヘイから新設工場への業務移行も模索する。大地を守る会が得意とする非食品分野のノウハウも取り入れる。
 生産者とのネットワークを拡大しながら物流の共同化も進める。配送センターを共同で使用したり、大地を守る会の自社配送便を活用することで年間2000万円のコスト削減を目指す。共同配送は6月にも開始する予定だ。
 大地を守る会の筆頭株主だったローソンとの事業提携も進める。まずはローソン店頭でのキットの販売を検討する。
 4月からは、都内を中心にラッピングした専用トラックによる自社配送を開始している。配送を委託しているヤマト運輸とは、「今後についてオープンな状態で議論を進めている」(高島社長)と説明した。4月から参加しているアマゾンでの野菜販売については、「(自社とは)顧客が重複しないことから売り上げへの影響はないだろう」との見方を示した。
 三越伊勢丹HDとの合弁事業については、「三越伊勢丹もECをさらに強化していく方針だ。やり方は変わっていくかもしれないが、引き続き取り組みたい」(高島社長)と話した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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