【玩具EC最前線】”キダルト”開拓が鍵/推し活支援やUGC活用で購買喚起(2024年9月26日号)

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「リカちゃん」とFrancfrancのコラボ商品

「リカちゃん」とFrancfrancのコラボ商品

 少子化が進む中でも、玩具市場は拡大している。一般社団法人日本玩具協会(本部東京都、前田道裕会長)によると、23年度(23年4月1日~24年3月31日)の国内の玩具市場規模(希望小売価格ベース)は、前年度比7・1%増の1兆193億円と、初めて1兆円を超えた。大人をターゲットに含んだ商品や、インバウンド(訪日外国人)にも人気のある商品がけん引しているという。ECに特化したデータは公開していないが、EC化率は横ばいの25%前後とみられる。ECサイトでは、”キダルト(キッズとアダルトの造語。子ども心を持った大人)”と呼ばれる大人向けの品ぞろえ強化や、UGC(ユーザー生成コンテンツ)などを活用したコンテンツ発信を強化する動きが加速している。

■推し活関連で訴求

 玩具市場拡大の要因の一つに、キダルト層による購入がある。キダルト層に向けた商品はECサイトでの販売も活発だ。20~21年ごろからの推し活需要に関連する訴求が目立つ。
 玩具などのエンターテインメント総合商社のハピネットは23年、新規ユーザーへのアプローチとして大人の「推し活」需要に着目し、ECサイトオリジナル商品として「ぬい(ぬいぐるみ)も入る4WAY推しバッグ」を販売した。同商品は「新たな流入のきっかけとなった」(ハピネット・オンラインユニットEC企画チーム・リーダー・児玉圭一郎氏)と手応えがあったという。
 同社のEC運営においては、「販売店として基本的なサービスの質を向上させていくことにより、ECサイトとしての存在価値を高め、顧客満足度の高いショップを目指す」(情報システム室・EC運営部・EC企画チーム・永田幸司氏)と堅実な姿勢を見せた。


■UGCやコラボに注力

 タカラトミーが67年に発売した着せ替え人形「リカちゃん」では、大人がSNS上で人形とインテリアをコーディネートした写真をシェアして楽しむ「リカ活」が20年ごろから盛り上がっている。9月20日時点で、

(続きは、「日本ネット経済新聞」9月26日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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