【外資系NBなどに打撃】 値上げ対応に愛用者離れ懸念も/止まぬ円安が逆風に(2024年2月1日号)

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 円安によるコスト高が続いている。本社を海外に構える外資系ネットワークビジネス(NB)、海外から素材や製品を仕入れているNB企業では、円安の影響による値上げなどの対応に追われている。23年は愛用者による値上げ前の駆け込み需要で一時的な業績伸長があったものの、その後は落ち込んでいる企業が多い。値上げに際し、ビジネス会員を中心に、本社側から丁寧な説明をして理解を求めている状況だ。現状では反発などの声は上がっておらず、愛用者離れなどの影響は限定的であるものの、担当者からは不安の声も聞こえてくる。今後も打開策を模索する状況が続きそうだ。

■続く円安、NB業界にも打撃

 22年3月頃から続いている円安基調は、24年も収まりそうにない。ウクライナ情勢などを要因に進んだ円安は、24年に入っても続いている。23年中ごろには一時的に円高ドル安の方向に動いていたものの、1月18日には1ドル=148円台と、再び150円台が目前に迫る。現在はやや落ち着いたものの、147円台と年初比で1ドルあたり2円以上の高値が続いている。
 円安は、外資系企業や海外の製品・素材で商品を展開するNB企業を直撃している。コスト高を受け、各社は厳しい状態が続いている。特に、原材料費・物流費の高騰による、製品価格の値上げが23年から相次いでいる。
 健康食品をNBで展開するパートナーコ・モリンダジャパン(本社東京都、長濱創社長)も日本市場で円安の影響を大きく受けている。「為替の影響を受ける製品の原材料、輸送・物流コストに加え、資材包材費などのコストが増加している状況」(広報)と言う。
 インヴァーニ(本社東京都、狩野元滋社長)は23年の中ごろから製品の値上げを実施したことを受けて、対面イベントなどで値上げの理解を求めたり、ボーナスポイント計算に反映させることなどを会員に伝えた。
 ユサナ・ヘルス・サイエンス・ジャパン(本社東京都、久保田耕司社長)は、23年初頭に大幅な値上げを実施しており、24年2月3日にも再び値上げを実施する。「愛用者を中心に、製品価格には敏感になっている。目下の影響は微小とみているが、この状況が長く続くのは厳しい」としている。
 大きな値上げに踏み切った企業では、愛用者による駆け込み需要で一時的な売り上げ増となったものの、多くがその後は落ち込んで前年並みとなっている。24年には、前年の値上げの反動が売上高などに反映されるため、各社は警戒している。
 このほか、固定している為替予約レートの変更を余儀なくされるケースもあるようだ。毎年1~2月に本社と協議して為替レートの改定を見直し、それに合わせて製品価格の改定が行われることが多く、現在の為替相場の情勢は、24年の製品価格にも大きく影響することになる。


■値上げ以外の影響も

 日本市場で海外製品を展開しているNB企業は、円安によるコスト高が直撃している。これらの企業では、原材料費などの高騰による値上げのほか、為替換算の影響もあるようだ。
 例えば、

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