アイリスオーヤマグループでネット通販事業を運営するアイリスプラザ(本社宮城県、岩崎亮太社長)は今年3月、ECサイトにマーケットプレイス機能を導入した。正式決定から半年強でマーケットプレイスの導入を実現したという。まずは食品事業者の3店舗49商品の販売から開始し、順次、出品者を拡大する計画だ。自社ECサイトで自社商品、仕入れ商品に加えて、出品商品の取り扱いを開始したことで、品ぞろえの弱かったカテゴリーをさらに強化していく。マーケットプレイス導入で同社のEC事業がどのように進化していくのか、営業本部マネージャーの川浪祐嗣氏に聞いた。
─マーケットプレイス機能を導入した狙いは。
当社ではもともと、他社商品も仕入れて、ECサイトで販売していた。マーケットプレイスを導入したことで、仕入れ以外の方法で他社商品を取り扱えるようになった。
ECを運営する中で、ご利用いただいているお客さまにより満足いただける形を模索してきた。その一つの課題として”品ぞろえ”があった。
現在は約5万点を取り扱っており、多いと言えば多いが、もっと取扱点数が多いECサイトはある。さらに品ぞろえを広げようと考えたときに、自社の商品開発や仕入れだけでは追いつかないと感じていた。Mirakl(ミラクル)社のECマーケットプレイス構築のSaaSプラットフォームの存在を知り、導入を決めた。
─スタート時はどのような出店者が参加しているのか。
牛タンを取り扱う「利休」、中華料理を取り扱う「一品香」、串かつを取り扱う「串かつ凡」の3店舗が出店している。SKU数は49点からスタートしている。
■アパレル、理美容も狙う
─戦略的に食品事業者を誘致しているのか。
あえて食品系を選別したということではなく、すぐにマーケットプレイスを形にしたいと考えている中で、いち早くご賛同いただけたのがこの3店だった。
もちろん当社としても食品は品ぞろえを拡充したいカテゴリーの一つだ。当社ではさまざまなカテゴリーを取り扱っているが、主力カテゴリーの一つである家電系の品ぞろえを伸ばすというよりも、まだまだ取り扱えていないカテゴリーを強化したいと考えている。
食品は水やパックご飯などを販売しているが、それは食卓に並ぶ、ごく一部の商品でしかない。それ以外のおかずになるような食品分野はまだまだ伸ばせると思っている。今回、ご縁があった3店舗にまず出品していただいた。
─食品系以外で品ぞろえを強化したいカテゴリーは。
食品以外だとアパレル関係、理美容関係も注力分野として視野に入っている。
(続きは、「日本ネット経済新聞」4月3日号で)
【アイリスプラザ 川浪祐嗣営業本部マネージャー】 <マーケットプレイス導入の狙い> 食品3店舗から始動、弱いカテゴリーを強化(2025年4月3日号)
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