【日本エコライフ 佐藤政彦社長】 〈6月をめどにホールディングス化〉”ゼロ円太陽光”の普及で社会に貢献

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 太陽光発電・オール電化、蓄電池などを販売する日本エコライフ(本社宮城県、佐藤政彦社長)は、太陽光発電システムをゼロ円で設置する「ゼロ円太陽光」の販売に乗り出した。一定の条件をクリアすれば、設置費用も含めて全て無料にし、太陽光発電の普及につなげる。6月をめどにホールディングス化を進める佐藤社長に今後の事業戦略を聞いた。

 ─20年3月期の状況について聞きたい。
 前期比17%増の35億円となる見通しだ。2月度は蓄電池の販売が約100台を超えたものの、新型コロナウイルスの影響で、アポインターの出勤を減らしたため、3月度は50~60台の販売に留まった。
 ─働き方改革にも積極的だった。
 当社の営業社員にはノルマがあるわけではなく、休日の取得や時間ごとの休暇制度も設けて、自由度を高めてきた。さらに、働き方改革を推し進めることを目的に、休日を増やすための取り組みも本格化させていく。
 ─「ゼロ円太陽光プロジェクト」を新たに開始した。
 地球温暖化防止を目的に、全世帯を対象に太陽光発電システムを設置するためのプロジェクトだ。専門商社と提携しことで、設置からメンテナンスまで費用が一切かからずに提供できる仕組みを構築した。これまで新築住宅には対応していたが、このほど既築住宅に提供できるようになった。
 契約期間は約10年間で、その間は電気を自家消費してもらう。10年後は無償でお客さまに譲渡し、その後、5年間に渡って機器を保証する。
 このプロジェクトの専任社員を採用する。主に、発電効果が期待できる家を検索できるオンラインシステムを使って、営業社員が訪問営業で提案をする。
 ─蓄電池の提案も強化する。
 蓄電池を販売するためには、太陽光発電システムが必要だ。「ゼロ円太陽光」は、消費者の地球温暖化防止への関心を高めると同時に、マーケットを広げるための取り組みともいえる。
 このほど、当社が支援しているJリーグの「ベガルタ仙台」とプロ野球「楽天ゴールデンイーグルス」のデザインを施したオリジナル蓄電池の販売も始めた。高い知名度を持つプロチームの力も借りながら普及していきたい。
 ─テレビCMなどを開始し、スポーツ支援を通じてブランディングに力を注ぐ。
 3月20日から、宮城県内でテレビとラジオCMの放送を開始した。地元の番組に社員が出演してPRする取り組みも始めている。
 昨年11月には、プロ野球・東京ヤクルトスワローズに移籍した嶋基宏選手をイメージキャラクターに起用している。嶋選手には、CMに出演してもらうと同時に、ホームページにも登場していただいている。
 ─21年3月期の事業計画については。
 当社では毎年、事業の方向性を「エコライフウェイ」として策定してきた。
 今年の方針は「勝者」。昨年の方針である「一新」を経て、今年は感謝を形にしたいという思いから「ゼロ円太陽光」を始めることに決めた。設置した人が「本当に良かった」と思ってもらえるような年にしたい。
 卸機能を持つ新会社「日本エコライフホールディングス」を6月に立ち上げ、訪販企業などに蓄電池の卸売りを行うほか、産業用の太陽光・オール電化の法人需要のニーズも取り込んでいく。当然ではあるが、既存の取引先との関係を大切にすることが大前提だ。
 事業内容として(1)公共施設事業(2)太陽光無償事業(3)一般住宅向け事業(4)営業支援事業(5)電化コンサルアライアンス事業(7)PV商材卸売事業(8)メガソーラー事業─を計画している。
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、中小企業を中心に経営が困難になるケースも出てきている。ホームセンターなどを中心に、新たな商材として、太陽光発電システムを扱ってもらうことで事業継続経営につなげてもらうのも狙いの一つだ。HD化する目的の一つとして、ただ売るだけではなく、サービスの部分も強化していかなければならないと考えている。
 ─アポインターへの付加価値を高めると聞く。
 当社の経営を支えてくれているのは、アルバイトのアポインターだ。このアポインターの待遇を改善し、もっと大事にしたいと考えている。
 具体的には、大学生を採用した場合には時給に加えて毎月奨学金を出す。定着率を高めるということもあるが、当社に関わってくれることへの感謝を表すと同時に、若者への支援を通じて社会に少しでも貢献して行きたい。安心して長く働ける環境を整えていきたい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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