【ヤング・リヴィング・ジャパン・インク 黄木悠代表】 今年はCBD製品を柱に

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 エッセンシャルオイルのネットワークビジネス(NB)を展開するヤング・リヴィング・ジャパン・インク(本社東京都)は今春にも、大麻草由来の成分であるカンナビジオール(CBD)を含有したオイルなど3品目を発売する。CBD製品投入の狙いや、今年の業績の見通し、日本法人設立20周年を迎えるにあたっての意気込みなどについて黄木代表に聞いた。

■CBD製品いよいよ投入

 ─CBD製品をいよいよ投入する。
 私と社員一同も新製品を楽しみにしているが、それ以上に会員の期待が高まっている。当社のCBD製品は大麻の栽培から全て米国のパートナー農場で製造しているのが特徴。オイルや麻を種から育て、管理することで高品質の製品を生み出すことができる。
 ─新型コロナウイルスによる影響は。
 3月27日から4日間に渡って、日本だけでなく米国や韓国などから約2000人が参加を予定していた「APAC CONVENTION」の開催を延期することにした。非常に悔しいが、会員の安全が第一なのでやむを得ない。コンベンションの2日目にCBD製品を大々的に発表する予定だった。ただ、今年の目玉製品になることには変わりはない。4月の先行販売に向けて、違う形で製品の披露を考えている。
 これまで、エッセンシャルオイルのNBのパイオニアとしての確固たる地位を築いてきたので、次はCBD業界を牽引していく気持ちでいる。当社のCBDの製品は、「三つの息吹」を標榜している。
 ─「三つの息吹」とは?
 今回の新製品はより高純度にこだわった。その過程で生まれたのが「三つの息吹」だ。一つ目は「安心」。麻の栽培を種蒔きから製品化まで全て自社で管理する。育てるための土壌にもこだわり、有害な物質が全く入らないようにしている。安全が確保できなければ、CBD市場の標準を作っていけない。エッセンシャルオイルと同様に、消費者が安心して使用できることが最優先となる。
 二つ目は「安全」だ。日本国内では、「麻薬及び向精神薬取締法」に基づき、違法成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC)をゼロにする必要がある。日本国内で製品を流通させるために、当社の製品は完全にTHCをフリーにしている。現在、日本で流通しているCBD製品には、このTHCが含有している違法なものが存在する。
 三つ目は「スマート・スペクトラム」で、これはCBD製品の製造方法だ。二つ目の「安全」の延長線上にある。麻からTHCを完全に取り除く過程で、CBDまで取り除いてしまうケースが多くある。当社で研究し、開発したこの「スマート・スペクトラム」は、THCを完全にフリーにし、CBDだけを抽出してエッセンシャルオイルに含まれている香りの成分である「テルペン」をCBDに加え、安全で高品質な製品を作り上げていく。この「三つの息吹」が他社製品との決定的な差別化となっていく。
 ─CBDとエッセンシャルオイルの相性は良いと聞く。
 現在、当社ではエッセンシャルオイルを中心に150品目を取り扱っている。CBDはオイルとの相性が良いので、全ての製品とのシナジー効果を創出していくことが可能になる。
 CBDの成分は自律神経と大きく関係しており、エッセンシャルオイルに期待されているリラックスの効果をさらに助け、大きくしていくものと期待している。4月に製品の先行販売を実施する。その後は、会員に対してCBD製品の使用を日常のルーティンの一つするための啓発を行っていく。
 基本的な使用法は会員に任せる。会社主体では、数パターンの使用方法を会員に伝えていく。例えば、「寝る前にラベンダーのエッセンシャルオイルを足に塗り、その後にCBDオイルを塗る」などの方法を提示する。
 ─どのような製品を発売するのか。
 三製品は「ネイチャーズウルトラ」という新たなブランドとして発売する。塗るタイプのローション「ロールオンカーム」、塗るタイプのクリーム「ジョイント&マッスルバーム」、塗るオイルの「CBDオイル」の三品目。「CBDオイル」はシトラスとシナモン、クールミントの三つの香りを用意している。どの製品もリラックス効果が期待されているため、仕事終わりや寝る前に使用することを勧めていきたい。
 ─CBD製品の投入を考え始めた時期は。
 19年の夏にCBD製品を扱う検討を始めた。CBDについて学ぶほど植物成分としての魅力を感じていった。


■発売のインパクト

 ─CBD製品の発売によって20年12月期業績にどのようなインパクトを与えると思うか。
 売上高や、目標販売数は公開できないが、かなりの反響を見込んでいる。CBD製品が20年12月期の売り上げをけん引していくことは間違いない。今後、会員が製品を購入したいと思えるようなプロモーションも計画している。当社の会員のオートシップ契約率は、5割を超えているため、新製品を正式に販売するとなれば大きな収益を創出する。
 ─新規会員の獲得に向けては。
 会員数は非公開だが新製品の投入で、20年12月期では前期比20%ほど増えると見込んでいる。CBDを通してヤング・リヴィングの良さを伝えていきたい。代表である私自身が、全国を回ってセミナーで製品やビジネスの良さを直接伝えていくことで、着実にファンを増やしていく。今年は、例年よりもセミナー回数を増やす。毎年、3回実施しているドクターセミナーを、今年は8回に増やし、会員に向けてCBDや製品セミナーを強化する。
 ─今後の展望は。
 CBD製品の発売だけでなく、組織が大きく進化していく。私が代表に就任して4年目。代表に就任して以降、組織を再編している。NB業界で経験がある人材の採用を強化している。採用の他にも、19年1月から社内の社員に向けてビジネスに対する考え方などの研修回数を増やし、組織の強化も図っていく。
 今年はヤング・リヴィング・ジャパン・インク設立20周年を迎える。CBD製品の投入と組織改革の両方で、会社の歴史に残るような年にしていきたい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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