【スクロール 鶴見知久社長】収益基盤を固めて挑戦

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 スクロールの業績が堅調に推移している。主力となる生協組合員向け通販事業が収益を確保しているほか、eコマース事業も増収基調となっている。今期中間期も安定した業績を維持した。今期の業績推移や次年度の計画を鶴見知久社長に聞いた。

■80周年企画が奏功

 ─19年4―9月期(中間期)は売上高が前年同期比4.2%増の379億円、営業利益は同14.2%増の16億3100万円だった。この数字はどう評価しているのか。
 今年度の上期は健闘したと捉えている。全般的に厳しい環境の中、主力となる通販事業が何とか踏ん張ってくれたからだ。通販事業の売上高は前年同期比4.9%増の186億円、セグメント利益は同9.0%増の14億9300万円だった。

 ─スクロールの通販事業は、生協組合員を対象としているが、生協向けマーケットは堅調なのか。
 いや、厳しい。われわれが扱っているアパレルに限ったことではなく全般的に言えることだが、その中でもアパレルは特に厳しい。

 ─厳しい消費環境の中で通販事業が堅調だった理由は。
 ここ数年間をかけて取り組んできたことが、着実に成果につながっている。特に今期は創業80周年を迎えたこともあり、80周年の記念媒体や記念企画、戦略商品などをあらかじめ計画して取り組んできた。折しも消費増税が10月にあったので、当然そのタイミングに合わせた企画も行っており、いい結果が出ている。

 ─企画というのは割引か。
 生協市場において一般的なポイント企画はほとんど行っていない。企画とは価格が安い商品の提供や媒体自体の特集などだ。普段1980円で販売している商品を980円で特集したりした。

 ─セグメントで見るとeコマース事業の売上高が上期で100億円を超え、セグメント利益も2桁増となっている。

(続きは、「日本流通産業新聞」1月1日新年特大号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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