【〈コンプライアンスに万全を期し業務を再開〉フォーデイズ 和田佳子社長】会員を惹きつける、魅力あるフォーデイズに

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 フォーデイズ(本社東京都、和田佳子社長)は5月24日、スポンサーライセンスやコンプライアンススコア制度を導入するなど、コンプライアンスに万全を期して、業務を再開した。新たなスタートを切ったフォーデイズの戦略について、和田社長に聞いた。(インタビューは5月10日に実施)

■18年3月期の売上高は前期比微減の424億円

 ─18年3月期決算の業績について。

 売上高は前期比1.1%減の424億7000万円、会員数は28万人となりました。一部業務停止の影響は大きかったですが、既存会員による安定したリピート購入のおかげで、微減にとどまることができたのだと思います。また、グローバル展開で香港が大きく成長したことも、売り上げに寄与しました。

 ─業務停止期間中に力を注いだことは何か。

 1泊2日の「ディレクター合宿」を全国10会場で、リーダー対象の「1日充実勉強会」を全国12会場で開催し、合計4000人以上の会員に参加していただきました。コンプライアンスは、いかに自分たちの問題として捉えられるかが重要です。他人事ではなく、自分たちの問題であるという意識を持った上で、あとはグループで楽しく学んでいただくことを心がけました。
 また、合宿・勉強会ではリーダーが自発的に「会員さん一人一人のマイストーリーを作って、感動を伝えよう!」と提案して、参加者と共に取り組んでいました。フォーデイズとの出会いや感動したことなど、会員の自身の言葉でマイストーリーを語ることで、共感を得られるのだと思います。


■会員との仲間意識がさらに強くなった

 ─いよいよ業務再開となるが、いまの率直な思いを。

 一部業務停止によって、会員の皆さんのボーナスが減少してしまったと思いますので、本当に申し訳ないです。それでも再開を間近に控えて、少しずつ皆さんの表情が明るくなってきたことが、せめてもの救いです。苦しい時期をともに乗り越えてきたことで、会員との仲間意識がさらに強くなりました。

 ─業務を再開するに当たって、コンプライアンスを強化した点とは。

 「概要書面の改定」「スポンサーライセンス(※1)」「コンプライアンススコア制度(※2)」の3点です。まずは、概要書面をより分かりやすく、正しく紹介活動ができるように改定しました。
 次に、新規会員の紹介活動を行うためには、スポンサーライセンスの取得を必須にしました。4月23日から資格取得の勉強会を実施しています。業務再開の5月24日までに、1万人を超える会員が取得する見通しです。
 コンプライアンススコア制度は、自動車の運転免許証のような仕組みです。顧客からのクレームがあった場合に、会員主体の地域コンプライアンス委員会と、当社のコンプライアンス部による評議会を実施して、処分を決定することになります。ただ、これは会員を罰することが目的ではなく、厳しい処分を設けることで抑止力につながるものと考えています。


■リ・スタートイベントと新ドリンク発表会を開催

 ─再開の日にイベントを開催するという。

 「リ・スタートイベント」を全国のサロン・カフェなどで開催します。私は、東京サロンから同時中継で、全国の会員に向けてメッセージを発信する予定です。今後のフォーデイズについて語り、参加者の皆さんと楽しい時間を過ごしたい。「会場に集まって、みんなで楽しむ」ことこそ、フォーデイズの醍醐味です。そして、6月からは「新ドリンク発表会」を実施します。参加者の皆さんには、新核酸ドリンク「ナチュラル DNコラーゲン」のミニボトルをプレゼント。6月18日の正式発売に先行して、新ドリンクの体験ができます。この二つのイベントで、合計1万6000人の参加を見込んでいます。

 ─新ドリンクの進化した点とは。

 高分子型DNAと低分子型DNAを組み合わせた核酸原料「プレミアムミックス」を配合し、より早く体感を得られるドリンクになりました。実際に飲んでいただくことで、良さを実感していただけることでしょう。さらに、核酸ドリンクは「2020年プロジェクト」を開始しました。20年にさらなるバージョンアップを実施します。
 ─バージョンアップは核酸の研究成果を反映させたものか。
 その通りです。現在、米カリフォルニア大学デイビス校で核酸の研究を続けていますが、今年は当社の学術研究員を米国に派遣して、さまざまな機関と協力して研究を進めていきます。オープンイノベーションによって、より高品質な原料を開発し、20年に具現化させたいですね。


■魅力的な製品を投入するチャレンジを続けていく

 ─その他の製品戦略、イベント施策について。

 核酸ドリンクに限らず、魅力的な製品を市場に投入するというチャレンジは続けていきます。昨年は、化粧水「ムーサ インデュース ローション」や、パウダー洗顔料「ムーサ イオ クリア ウォッシング パウダー」がヒットしました。また、クッションタイプのリキッドファンデーションなど、今後のトレンドになり得る化粧品も発売しています。化粧品には、特に力を入れていきたいです。
 イベントは、昨年から実施して好評の「シンデレラフェス」を続けていきます。当社は日々のセミナーが核となりますから、今後も会員の皆さんが楽しく参加できるセミナーを企画していきたいと思います。

 ─19年3月期決算の展望について。

 売上高350億〜360億円で推移するという厳しい見通しです。売り上げが回復するまでには、約3年かかると予測しています。今回の反省として、今まで以上にやめない会員作りに力を注いでいきたいです。そのためにも、会員を惹きつける、魅力あるフォーデイズになることをめざしていきます。



※1 スポンサーライセンス
 新規会員の紹介活動を行うメンバーは、スポンサーライセンス(新規紹介活動資格)を取得する必要がある。コンプライアンス講習会を受講後、テストに合格することで、ライセンスを取得できる。

※2 コンプライアンススコア制度
 すべての会員にコンプライアンスに関するスコアが5点付与され、違反行為が確認されるとスコアが減点される制度。減点数に応じて、処分内容が決まる。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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