【訪販営業支援〜8人が語る「営業のメソッド」〜】YSコンサルタント 岡田基良 社長/売り上げ数倍の事例続出の「サンタさん営業」

岡田基良 社長

 営業力強化の企業研修などを行うYSコンサルタント(本社東京都、岡田基良社長、(電)03-5204-2041)は、営業マンが〝お客さまに与える〟「サンタさん営業」を提唱しており、多くの企業の営業支援で実績を挙げている。支援を行ったリフォーム訪販企業が3カ月で売り上げを3倍に増加させたり、ネットワークビジネス(NB)企業が売り上げ3~5倍増に成功したりといった事例が続出しているという。岡田社長に話を聞いた。

 ーーー岡田社長は、営業支援で数多くの実績を挙げていますが、始めから営業が得意だったのですか。

 岡田 実はそうではありません。明治安田生命で営業所長として働いていたのですが、私の営業所の営業成績は1000営業所中1000位、つまり最下位だったのです。売上目標も達成できず押しつぶされそうになっていたとき、巡り合ったのが当社の創業者である佐藤康行が提唱する「サンタさん営業」の考え方でした。「サンタさん営業」を取り入れたところ、たった1年で1000社中トップの営業成績を上げるに至りました。しかもその後13年間、そのトップを維持できたのです。
 13年前に佐藤が脳出血で体調を崩したのを機に、「サンタさん営業」を広める役割を、私自身が担うことにしました。

 ーーー実際に「サンタさん営業」を導入した企業は営業成績が伸びているのですか。

 岡田 大手も含めさまざまな企業が「サンタさん営業」を導入していますが、研修を実施した企業はことごとく業績をアップさせています。あるリフォーム訪販会社では、導入後3カ月で売り上げが3倍に伸びました。あるNB企業でも、売り上げが3~5倍に伸びました。こうした事例は数えきれないほどあります。当社の評判は口コミでどんどん広がっており、私自身、月に20日間研修をしていますが追い付かない状況です。現在は講師の養成に力を入れており、私と同レベルの講師がすでに4~5人育ってきています。

 ーーー「サンタさん営業」だとなぜそんなに顕著な成果が出るのですか。

 岡田 営業マンの誰しもが抱く、「お客さまのため」と「自分のため」の矛盾を解消できるからだと思います。営業マンは、「お客さまのためを思って」などと言ったりしますが、実際は、うそだったりします。こうした矛盾を抱えつつ営業をしても、本当の意味でのパワーは出ません。アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなものだからです。「サンタさん営業」では、「お客さまのため」と「自分のため」が矛盾なく両立できるようにします。だから、思いっきりアクセルを踏んで、「お客さまのため」に取り組むことができ、売り上げや収入が付いてくるのです。嫌われることもありませんし、感謝されて、リピートもついてくるのです。「サンタさん営業」では、自分中心ではなく、相手中心でものごとを考えます。

 ーーー「サンタさん営業」というのは、「お客さまの言いなりになる」ということですか。

 岡田 そうではありません。自分の商品・サービスを通じて、真にお客さまの役に立つということです。お客さまが何を望んでいるかを明らかにし、それに応えていくのです。大切なのは、お客さまの顕在的な「ニーズ」を捉えることではなく、お客さまがまだ気付いていない欲求である「シーズ」を捉えることです、サンタさんが一人一人の子どものことを想像してそれぞれの子供が最も喜ぶ品をプレゼントするように、営業マンは、お客さまのシーズを見つけてあげて、その欲求に、自らの商品・サービスを通して応えていくのです。

 ーーー「サンタさん営業」についてもう少し詳しく教えてください。

 岡田 例えば、「サンタさん営業」の考え方として、「死から生を見る」ということがあります。誰もがいつかは死ぬわけですが、「今、間もなく死ぬ」という瞬間を思い浮かべてください。そのとき、あなたはどんな死に方をしたいでしょうか。多くの人に憎まれて死にたいでしょうか。それとも、愛する人に囲まれ、惜しまれながら死にたいでしょうか。お客さまから奪う「ドロボー営業」をしていたのでは、自分の望む死に方が本当にできるでしょうか。できないならば「サンタさん営業」に切り替えるべきでしょう。「ドロボー営業」では、短期的な成果は得られるかもしれませんが、長期的な成果は決して期待できません。
 「死から生を見る」のように、物事の視点を変えるのはとても有効です。最も遠いところや、最も高い場所に視点を移してみたり、逆さまから見たりすることによって気付くことも多いのです。
 佐藤が編み出した考え方の一つに、対人営業全般に役立つ「満月の法則」というものがあります。月はときによって、三日月に見えたり満月に見えたりしますが、ご存知のように、月自体の形が変わっているわけではありません。そう見えているだけなのです。「満月の法則」では、お客さまも同様に、「みんなまんまる」と考えます。営業マンはすぐに、「この人は買ってくれない」「この人はお金を持っていない」などと決めつけてしまいがちですが、それは自分自身の価値観がそう見せているだけです。「満月の法則」では、「全員素晴らしい」「全員買ってくれる」「全員億万長者」と考えます。優先順位を付けることはある程度必要でしょうが、だからといって「買ってくれない」「お金がない」人だから態度を変えるということではいけません。なぜなら、「サンタさんには差別がない」からです。サンタさんは損得や好き嫌いで、対応を変えたりはしません。

 ーーーしかし、実際のところは、すべてのお客さまが商品を買ってくれるわけではないですよね。

 岡田 確かに、買ってくれる人も、買ってくれない人もいます。ただ、すべてのお客さまは、「自分を成長させてくれる協力者」だと考えます。買ってくれる人は、営業マンに「自信」を付けさせてくれる協力者です。買ってくれない厳しい人は、営業マンに「力」を付けさせてくれる協力者なのです。

 ーーー「サンタさん営業」を考案した佐藤さんとは、どんな人物なのですか。

 岡田 化粧品や宝石の訪問販売から身を起こしトップセールスとして活躍。その後、ステーキレストランを展開し70店舗を展開するまでに拡大させた、営業の天才です。普通、天才は自らの優れた感性を言葉にできないため、再現性を生み出すことができませんが、佐藤の場合は、「天才の無意識」を意識として言語化する能力も備えていました。そのため、再現性があるのです。著書も多数出版しており、ベストセラーも生み出しています。「満月の法則」(佐藤康行著、サンマーク出版発行、税別1600円)もその一つです。

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