【食品宅配・通販支援サービス】<インタビュー>「自動購入」を提唱/スマートショッピング 林英俊 代表

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 価格比較サイトの運営などを手掛けるスマートショッピング(本社東京都、志賀隆之・林英俊共同代表、(電)03―4405―5629)はこのほど、IoT機器を活用した、食品などの消耗品の〝自動購入〟サービスの提供を、18年中にも開始する予定だ。林代表に話を聞いた。

 ーーー御社が提案する「自動購入」の仕組みについて聞きたい。

 当社が提案する「自動購入」は、一般的な「定期購入」とは異なる需要に応えられる仕組みだと考えている。
 「定期購入」は、1カ月など決まったスパンで商品を購入する仕組みだ。例えば、内容量が1カ月分きっかりに設定されている健康食品などは「定期購入」がふさわしいだろう。一方、使い切りの周期が読めないが、切らしたくないものもある。
 例えば、自宅で食べるコメやシリアルといった食品は使い切りの周期が読みにくいものではないか。外食が多かったり、旅行に行ってしまったりなどといった要因で、毎回使い切りの周期が異なってくる。
 オフィスの現場でも同様のものはあると思う。例えば、オフィスに常備する来客用のペットボトル飲料やコピー用紙は、消耗ペースが一定ではないだろう。こうした、一定の周期で区切って最適に定期購入をするのが難しいが、常備したいものの購入をサポートするのが「自動購入」という考え方だ。

 ーーー御社は具体的にはどんなサービスを提供するのか。

 消耗品の自動購入をサポートするIoT機器「スマートマット」を開発した。同機器は、体重計のような外観の機器だ。ユーザーはミネラルウォーターなど、定期的に購入する消耗品のケースを同機器の上に置くだけで、自動購入サービスを利用できる。ユーザーが商品を使用し残量が減ると、同機器がインターネットにつながりECサイトで買い足し注文をしてくれるというものだ。現段階では、試作品を活用してテストマーケティングを行っている。IoT機器の生産パートナーを募集するとともに、ユーザーが自動購入する商品の販売を行ってくれる通販事業者なども募集している。18年中には本格的にサービスの提供を開始できると思う。

 ーーーテストマーケの状況はどうか。

 BtoBの現場からの引き合いが多い。先ほど例示したような、オフィス用品の買い足しに、自動購入の仕組みを導入したいという声は少なくない。飲食店の現場にもニーズは多くありそうだ。例えば、10リットルほどの容量の業務用焼酎を使い切るペースが読みにくいという話も聞いている。こうした商材の補充にも「スマートマット」は有効だ。

 ーーー今後の展望は。

 IoT機器自体の改良も随時行っていく予定だ。ユーザーの消費ペースに合わせた買い物を実現する「自動購入」という考え方は、「究極のパーソナライゼーション」をサポートできると思っている。自社の定期購入サービスに取り込みたいという通販企業とも、コラボレーションができるのではないかと考えているところだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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