ポーラ／ＥＣ売上６０％増／新規顧客獲得の契機に

　ポーラの２０年１―９月期（第３四半期）におけるＥＣ売上高は、前年同期比５９．８％増の２４億４６００万円だった。ポーラ全体の売上高の３．３％を占める。ポーラでは、ＥＣの販売チャネルを、「新規顧客を獲得するための成長の柱」と位置づけ、注力していくとしている。
　ポーラの公式オンラインストアでは、ポーラのサロンや百貨店で販売されている、「Ｂ・Ａ（ビーエー）」や「リンクルショット」など、ほとんどすべてのラインアップを購入できる。オンラインストアには、研究開発部門の担当者が商品の成分などについて紹介するページを設けている。販売員が季節のおすすめ商品や美容法を紹介するページも設置している。定期購入の仕組みは導入していないという。
　ポーラのＥＣはこれまで、販売員によるカウンセリング販売の補完的役割だった。コロナの影響で、対面販売が厳しい状況が続く中で、同社としてはＥＣ部門を強化する考え。ＥＣ・百貨店・対面販売のチャネルを横断して、顧客の情報の分析や活用を行っていくとしている。ウェブ広告の出稿量を増加させるなど、マーケティング投資も強化するとしている。
　ポーラ・オルビスホールディングスでは、「ＥＣはお客さまとの新しい接点。委託販売チャネルには、そこでしか提供できないエステなどの強みがある。そのため、ＥＣが対面販売に悪影響を与えるとは、あまり考えていない」（コーポレートコミュニケーション室）と話している。