ポーラ 20年1―9月期/営業利益65.3%減/販売員数も5000人減少

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 ポーラの20年1―9月期(第3四半期)における営業利益は、前年同期比65.3%減の71億7700万円だった。売上高は同28.7%減の729億2600万円となっており、売上高の減少に伴って営業利益も減少した。20年9月末時点の販売員であるビューティーディレクター(BD)の数は、前年同期比5000人減の3万5000人となった。
 サロン販売や従来型訪販を含む委託販売チャネルの売上比率は74.9%で、売上高は546億2100万円だった。委託販売チャネルの売り上げは、前年同期比30.8%減少となった。コロナの影響による来店客の減少が、減収の大きな要因になったという。
 ポーラでは、20年1―9月期における平均商品単価が、コロナ前と比べて、約10%落ち込むなど、消費マインドの回復が、想定よりも緩慢だったとしている。
 ポーラの持ち株会社であるポーラ・オルビスホールディングスでは、「委託販売チャネルにおいて、既存顧客は戻ってきている。一方で、従来、新規顧客を獲得する手段の一つであったトライアルエステが、稼働できていない」(コーポレートコミュニケーション室)と話している。
 販売員の減少も、新規顧客獲得ができない状況が影響しているようだ。2月から春先にかけては、例年、BDが新規顧客獲得にアクセルをかける時期でもあるというが、コロナの影響で、顧客獲得が進まない状況が続いたという。
 これまでは、既存顧客の減少による収益源を新規顧客の獲得で補うBDが多かったが、コロナの影響で、新規顧客の獲得ができなくなってしまった。既存顧客の自然減に歯止めをかけることもできず、モチベーションを失うBDが多かったという。BDを辞めてしまうケースも少なからず生じてしまったという。
 緊急事態宣言以降は、既存顧客が戻ってきていることから、BDのリクルート活動も再開している。BDの数は回復傾向にあるとしている。

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