特定商取引法・専門調査会/会社役員にも行政処分/特商法改正の論点に浮上

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 特定商取引法(特商法)の見直しに向け議論している消費者委員会・特定商取引法専門調査会は5月27日、特商法に基づく行政処分の対象を事業者の代表や役員にも拡大する改正案について議論した。業務停止命令を受けた法人の役員などが、処分後に新たな法人を立ち上げて悪質な営業を繰り返すことを防ぐのが狙い。特商法の改正をめぐっては、「不招請勧誘禁止規定」の導入の是非に加え、執行強化の在り方も議論が進んでいる。

 特商法を改正する上で執行強化の是非は重要な論点の一つ。執行を担う消費者庁や都道府県は悪質商法の手口が複雑・巧妙化する中、現行法では執行が困難な事例が増えているとして、法改正の必要性を主張している。
 5月27日の特商法専門調査会は非公開で行われた。消費者庁が提出した当日の資料によると、特商法に基づく行政処分の執行状況と課題について検証が行われたほか、執行を強化するための具体的な方策を討議したとみられる。
 調査会では、過去に行政処分を受けた事業者の元役員らが別法人を立ち上げ、再び行政処分を受けるケースが増えていると指摘。近年は同一人物が関与する法人が繰り返し行政処分を受ける事例も増えているという。
 消費者庁によると、実質的に同じ事業者が社名を変え、繰り返し行政処分を受けた事案は09年度以降だけで延べ46件あった。
 こうした状況を踏まえ、行政処分の対象範囲を事業者に加え代表者や役員に拡大する案が浮上。処分内容に違反した個人に刑事責任を科す必要があるという意見も提示された。

(続きは「日本流通産業新聞」6月4日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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