〈消費者委員会〉 相談情報の開示を提言/PIO―NETをオープン化

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 消費者委員会は8月31日、「地方消費者行政専門調査会」の報告書を取りまとめた。地方で複雑化する消費者問題の解決や防止を図るため、公開を限定しているPIO―NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された苦情相談情報を開示し、ビッグデータとして活用することを提言した。
 消費者委は、「人材や財源は限られており、効率的に消費者行政を行う必要がある。現在も、PIO―NETに登録された情報をもとに政策の企画や立案、法執行、消費者への注意喚起を行っているので、相談情報のオープン化を推進していきたい」としている。国民生活センターは、相談内容のオープン化について、「具体的なことは事務局内で協議の上で発信していきたい」としている。
 PIO―NETは現在、中央省庁が検索できるほかは、警察や適格消費者団体などの一部に情報提供するだけのクローズドな仕組みだ。消費者委事務局は、「これを国民や事業者も開示の対象にしている」と回答した。どこで、どのような消費者トラブルが発生しているかを、いち早く国民や事業者に伝えることが可能になるなどのメリットを挙げている。
 一方、報告書では「個人情報や特定の事業者名などは保護する必要がある。オープン化する項目は精査し、配慮しながら推進していきたい」とも提言。期限についても、「20年後を目安にしているので、具体的なロードマップなどは特に決まっていない」(消費者委事務局)ということで、実現には相当な時間を要する見通しだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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