「次亜塩素酸化学工業会」設立/行政機関と連携、啓発活動を

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「次亜塩素酸化学工業会」のロゴ

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 「次亜塩素酸水」の科学的で有効な規格基準作りを目指し、より安全で効果的な使用の普及や啓発活動を目的にした「一般社団法人 次亜塩素酸化学工業会」(HCAI、事務局東京都)が8月4日に設立した。
 「次亜塩素酸水」の正しい認知に向け、製品ごとの規格基準や運用ルールを定義し、正しい普及・啓発の取り組みを進める。経済産業省など行政機関とも連携し、法令を順守した次亜塩素酸水やその製造装置を取り扱う企業を中心に加盟する。
 事務局は都内に置き、メーカーであるピュアソンの石田智洋専務が代表理事を務める。「化学的調製によって生成された、安全性の高い次亜塩素酸水の普及を通じて、環境浄化と微生物感染の防止に寄与し、人の健康と安全に貢献したい」(同協会)とコメントしている。
 「次亜塩素酸水」を巡っては6月に、製品評価技術基盤機構(NITE)が、新型コロナウイルスに対して有効塩素濃度 35ppm以上にて効果があると発表している。安全で殺菌効果の高い水溶液として認められた。
 一方で、次亜塩素酸の持つ化学的特性から、不安定な物質で、安全で効果的な利用のためには正しい製造と使用方法が条件とされている。これまで明確な規格基準の定義がなく、また業界として運用ルールも定められてこなかった。
 このため、新型コロナの感染拡大で、エタノールなどに代わる除菌剤として次亜塩素酸水が注目されてきたが、さまざまな製法による多様な商品が市場に流通し、その安全性や安定性、効果について消費者の間で誤解や混乱が生じていた。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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