ポーラ 19年1―9月期/訪販売上15.0%減に/中国EC法の影響続く

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 ポーラの19年1―9月期(第3四半期)の売上高は、前年同期比8.9%減の1020億500万円、営業利益は同17.6%減の206億7600万円だった。委託販売チャネル(サロン・従来型訪販)の売り上げは前年同期比15.0%減少し、約790億円程度だったとみられる。1月施行の中国電子商取引法の影響でインバウンドバイヤーによる国内売り上げが引き続き減少した。
 委託販売チャネルは前年同期比140億円の減収となった。一方で、海外売り上げは24億円、百貨店などの売り上げは15億円、それぞれ増加した。
 ポーラの親会社であるポーラ・オルビスホールディングスは、第2四半期までの減収要因として、「ホワイトショット インナーロック」などの美容健康食品のインバウンド売り上げが減少したことの影響が大きかったと説明していた。「インナーロック」の売り上げの減少は純第3四半期の7―9月期では落ち着き回復に転じている。純第4四半期以降の減収要因にはならないとしている。ただ、減収のトレンドは今後も続くとみられる。
 ポーラ・オルビスHDでは、委託販売チャネルの減収した要因について、シワ改善の薬用化粧品の減収もあげた。19年秋には多くの国内化粧品ブランドから、シワ改善の化粧品が発売されるなど、顧客に選択肢が増えたことなどが要因となっているという。「20年1月には、ポーラのシワ改善化粧品のラインに新製品を投入する。シワ改善の幅を拡大し、他社との差別化を図り、顧客の囲い込みを図っていく方針だ」(広報・IR)と話している。
 国内委託販売チャネルが減収した一方で、海外売上高が前年同期比41.8%増収した。中国EC法によるインバウンド売り上げの減少を踏まえ、19年7―9月期中に、新たに中国国内に17店舗を出店した。「正規ルートによる販売チャネルの拡大を進め、海外顧客の需要を確保する戦略をとっている」(同)とも話している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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