【食品通販・食品宅配市場・最新動向分析】 「時短」「シニア」取り込む食品企業が台頭/的確な顧客セグメントが業績を左右

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NTTドコモオリジナルのミールキット「dミールキット」

 食品を販売する宅配や通販など無店舗販売業界では、顧客獲得競争が激しさを増している。家庭にとっては「時短」の取り組みが料理だけでなく、家事全般に広がり、「時短」をキーワードにしたミールキット市場が急速に拡大。食品スーパーやネットスーパー、生活協同組合といった競合の新規参入が相次いでいる。高齢者人口の増加に伴い、高齢者向けの宅配弁当・総菜の市場には、既存顧客との親和性が高い首都圏に商圏を限定するECが台頭。店頭顧客を有する高島屋の食品宅配「ローズキッチン」や東急が成長している。10月の消費増税に伴い、外食を控え、内食を狙う商品やサービスを増やす企業も目立つ。宅配・通販で取り扱いの多い主な商品ジャンルや業界ごとの最新の動向と注目企業について探った。

■ミールキット/「時短」ニーズをさらに取り込み

 カットされた食材とレシピがセットになった「ミールキット」の市場は共働き世帯や子育て層を取り込んで拡大を続ける。全体では拡大基調にあるものの、業績からはECと食品宅配企業で二極化がうかがえる。
 オイシックス・ラ・大地(以下オイシックス)が手掛けるEC「Oisix」の19年4―6月期(第1四半期)のミールキットの定期会員数は前年同期比61.3%増で約13万人となった。19年3月にテレビCMによる販促を行ったことも奏功し、累計出荷数は今年7月度で4000万食を突破。「ミールキットから訴求するほうが顧客を獲得しやすくなってきた」(経営企画部)と接点づくりとしての成果を感じている。
 オイシックスでは、EC宅配支援事業も順調だ。NTTドコモ(以下ドコモ)が7月25日に始めた、オリジナルのミールキット「dミールキット」は開始2カ月で、お試し商品「トライアルキット」の販売数が約8000食、定期便の会員数は1000人を超えた。
 ドコモが手掛ける「子育て応援プログラム」などのオウンドメディアを駆使しプロモーションを実施。ドコモが持つ子育て層をセグメントし、ミールキットの利用に親和性の高い層に対しダイレクトメール(DM)による販促も積極的に展開する。ウェブで訴求するキャンペーンよりも割引の限定価格を訴求したことも利用につながり、当初25%の転換率が35%に上昇したという。
 食品宅配企業では、全国に65のフランチャイジー(FC)が加盟するヨシケイ開発(本社静岡県)が存在感をみせる。今年9月には、パナソニックと協業してミールキットを開発したり、認知度向上を目的に女優で栄養士の資格を持つ白石美帆をアンバサダーに起用している。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月10日号で)

シュガーレディ本社は冷凍ミールキットの販売に初めて参入した

新規事業・新事業戦略発表会で、発表する創業者の渡邉美樹会長兼CEO

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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