【主要ECモールのキャッシュレス還元】 異なる還元方法/独自の決済に誘導、囲い込み促進

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 主要ECモールは10月1日、消費増税の対応を開始するとともに、キャッシュレス決済時のポイント還元(キャッシュレス還元)も開始した。「ヤフーショッピング」はスマホ決済「PayPay」などで利用できる5%分のポイントを還元し、「楽天市場」は楽天カードで決済すれば8%を還元できるとアピールしている。キャッシュレス還元を契機に独自の決済方法に誘導し、ユーザーの囲い込みを促進したい考えだ。
 中小企業の店舗でキャッシュレス決済にて買い物をした消費者にポイント還元する施策は、キャッシュレス決済の普及を促す取り組みだ。ECモールが対応していれば、中小企業のモール店でもキャッシュレス還元に対応できる。


■審査が遅れ11月に

 主要ECモールでキャッシュレス還元に対応しているのは「楽天市場」「アマゾン」「ヤフーショッピング」「ポンパレモール」などだ。「au Wowma!」も対応予定だが、経済産業省の審査に時間がかかり、11月以降に開始する予定だ。「Qoo10」も対応予定だが、提供開始時期は未定だという。
 ファッションに特化している「ゾゾタウン」「ショップリスト」「マガシーク」などは、ブランドの商品をモール事業者が委託販売しているため、キャッシュレス還元には対応しない。


■8%還元をアピール

 「アマゾン」はポイント還元ではなく5%分を即時値引きする。ユーザーは還元メリットをすぐに享受できる。ヤフーは「PayPay」などで利用できる「PayPayボーナスライト」という独自ポイントで5%を還元する。「ヤフーショッピング」以外でも利用できるポイントを付与し、「PayPay」の利用促進を図る。
 楽天は「楽天カード」を利用するとキャッシュレス還元の5%に加え、独自のポイントプログラム「SPU」を適用することで8%まで還元できるとアピールしている。キャッシュレス還元によりポイント還元率が上がる点を前面に押し出し、カード会員の獲得につなげたい考えだ。
 キャッシュレス還元の対象期間は最長で20年6月末まで。期間中にサービスのアピール競争はさらに過熱しそうだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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